ドライバーの職場選び

トラックドライバーの面接で聞く質問は?求人10件に書かれていなかった項目から逆算

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トラックドライバーの面接で何を質問すればいいかは、求人に何が書かれていないかから決めると迷いません。この記事では、ドライバー専門の求人サイトに載っていた正社員のトラック求人10件を1件ずつ読み、12の項目が書かれているかを数えました。そのうえで、書かれていなかった項目を面接で聞く質問に直しています。

先に結論です。求人10件のうち、事故を起こしたときの本人負担に触れた求人は0件、基本給の金額を書いた求人は1件、固定残業代の時間数(または固定残業代なし)を書いた求人は2件でした[1]。厚生労働省は、求人広告のスペースが足りないなどやむを得ず労働条件の一部を後で示す場合でも、原則として面接など求職者と最初に接触する時点までに、すべての労働条件を明示する必要があると説明しています[2]。

結論:トラックドライバーの面接では求人に書かれていない条件を質問する

  1. お金の決まり:事故時の本人負担(10件中0件)、基本給の金額(1件)、固定残業代の時間数(2件)、賞与の実績(2件)は、ほとんどの求人に書かれていませんでした[1]。
  2. 仕事の中身:月の残業時間(2件)、車格のt数(2件)、デジタコ(2件)、荷役の方法(4件)も、書かれていない求人の方が多くありました[1]。
  3. よく書かれていた項目:年間休日の日数は7件、社会保険は6件に書かれていました[1]。書かれていない求人では、この2つも面接で確かめてください。

求人10件に書かれていた項目・書かれていなかった項目

ドライバー専門の求人サイト「ドラEVER」に載っていた、雇用形態が正社員のトラック求人10件を対象にしました。北海道・新潟・静岡・沖縄・鹿児島の5道県から2件ずつ(1社1件。道県は各ページの勤務地欄で数え、鹿児島の1件は本文に埼玉県の新しい営業所での募集とも書かれています)で、うち2件はハローワークの求人を転載した形式のページです。2026年10月13日に各求人の詳細ページを取得し、会社概要より前の本文と特徴タグの欄を読んで、12の項目が書かれているかを1件ずつ数えました[1]。

表1:正社員トラック求人10件の記載状況(取得日:2026年10月13日/出典:ドラEVER 各求人の詳細ページ[1])

項目記載あり記載ありとした基準
事故時の自己負担10件中0件事故・破損時の本人負担、弁償、給与からの天引きに触れている
基本給の金額10件中1件基本給と明示した金額(月給・月収例だけは含めない)
固定残業代の時間数10件中2件固定残業代が何時間分か、または固定残業代なしと明記
月の残業時間10件中2件月平均などの残業時間の数値
車格(t数)10件中2件10tなどのt数(大型・中型の区分だけは含めない)
賞与の実績10件中2件賞与の月数または金額の実績
デジタコ10件中2件デジタルタコグラフの搭載・導入の記載
試用期間中の条件9件中3件試用期間中の給与額、または本採用と同じ条件と明記(試用期間なしの1件は除く)
変更の範囲10件中3件変更範囲の記載、または転勤の有無に触れている
荷役の方法10件中4件手積み、カゴ車、パレット、パワーゲートなどの具体的な記載(特徴タグを含む)
社会保険10件中6件社会保険完備、または加入する保険の列挙
年間休日の日数10件中7件年間休日の日数の数値
正社員トラック求人10件のうち記載があった件数の横棒グラフ。年間休日の日数7件、社会保険6件、荷役の方法4件、変更の範囲3件、試用期間中の条件3件(9件中)、デジタコ2件、賞与の実績2件、車格2件、月の残業時間2件、固定残業代の時間数2件、基本給の金額1件、事故時の自己負担0件
図1:求人10件のうち記載があった件数(2026年10月13日取得)

※10件は1つの求人サイトから選んだもので、トラック求人全体の割合を表すものではありません。書かれていないことは、その条件が悪いことを意味しません。10件のページすべてに、求人情報はAIの支援を受けて作成されており、企業の公式情報と異なる場合があるとの表示がありました[1]。ハローワーク転載形式の2件は、給与欄に月収例だけが載っており、基本給は項目名だけで金額は表示されていませんでした。

面接で聞く質問リスト

表1で記載が少なかった項目を、面接で聞く形にしました。言い回しは一例です。

表2:面接で聞く質問と、表1の記載件数(出典:表1[1]、厚生労働省[2][3])

確かめること求人10件の記載聞き方の例
事故時の自己負担0件事故で車や荷物を壊したとき、修理代や保険の免責分を本人が払う決まりはありますか。
基本給の金額1件月給のうち、基本給はいくらですか。
固定残業代の時間数2件月給に固定残業代は入っていますか。入っていれば何時間分で、超えた分は別に支払われますか。
月の残業時間2件ドライバーの先月の残業は、平均で何時間くらいでしたか。
車格(t数)2件乗るトラックは何トン車ですか。専属ですか、乗り換えですか。
賞与の実績2件昨年の賞与は何か月分でしたか。
デジタコ2件デジタコは付いていますか。記録は何に使っていますか。
試用期間中の条件9件中3件試用期間中の給与や条件は、本採用と同じですか。
変更の範囲3件将来、別の営業所や別の仕事に移ることはありますか。
荷役の方法4件積み下ろしは手積みですか。カゴ車やフォークリフトを使いますか。
面接で確かめる8項目の表。事故時の自己負担は10件中0件で修理代の本人負担の有無、基本給の金額は1件で月給のうち基本給の額、固定残業代の時間数は2件で何時間分か・超過分の支払、月の残業時間は2件で先月の平均残業時間、車格は2件で何トン車か・専属か、賞与の実績は2件で昨年の支給月数、デジタコは2件で搭載の有無と記録の使い方、試用期間中の条件は9件中3件で給与・条件が本採用と同じか
図2:面接で確かめる8項目(記載が少なかった順)

質問の根拠になる国のルール

募集時に示す労働条件:厚生労働省の求人企業向けリーフレットは、2024年4月1日施行の改正職業安定法施行規則で、業務の変更の範囲・就業場所の変更の範囲・有期契約を更新する場合の基準が明示事項に加わったと説明しています[2]。記載例には、試用期間、時間外労働(月平均の時間)、加入保険が並び、試用期間中の月給も書かれています。固定残業代を採用する場合は、手当を除いた基本給の額、何時間分の時間外手当としていくら支給するか、その時間を超えた分は追加で支給することを書く例が示されています[2]。

同じリーフレットは、求人広告のスペースが足りないなどやむを得ない場合は、労働条件の一部を別のタイミングで示すこともできるとしたうえで、その場合も原則として面接など最初に接触する時点までに、すべての労働条件を明示する必要があるとしています[2]。

事故や損害の賠償:厚生労働省の労働条件Q&Aは、あらかじめ賠償額を決めておくことは労働基準法16条で禁止され、賃金からの一方的な天引きは原則として労働基準法24条1項の全額払いの原則に反すると説明しています[3]。一方で、労働者の故意または過失によるもので、会社の損害との間に相当の因果関係がある場合は、実際の損害の全部または一部について賠償責任が生じることがあるとも書かれています。その場合でも、賃金から天引きすることは許されないとしています[3]。同じページには、タンクローリーの運転中の事故で、会社が対物賠償責任保険や車両保険に入っていなかったなどの事情のもと、会社が労働者に請求できるのは損害の4分の1までとした最高裁判決(昭和51年7月8日)が載っています[3]。

求人票の読み方はトラックドライバーの求人の見方、給与の相場はトラック運転手の年収、拘束時間や荷役のきつさはトラック運転手はきつい?にまとめています。

よくある質問

Q1. 面接で給料や残業のことを聞いてもいいですか?

厚生労働省のリーフレットでは、会社は求人票や募集要項で労働条件を明示する必要があり、やむを得ず一部を後で示す場合も、原則として面接など最初に接触する時点までにすべて明示する必要があるとされています[2]。給料や残業の質問は、その労働条件を確かめるものです。今回の10件では、基本給の金額を書いた求人が1件、月の残業時間を書いた求人が2件でした[1]。

Q2. 事故を起こしたら修理代を払わされますか?

今回の10件では、事故時の本人負担に触れた求人はありませんでした[1]。厚生労働省のQ&Aは、賠償額をあらかじめ決めておくことは禁止され、賃金からの一方的な天引きも原則として認められないと説明しています。一方で、故意または過失によるもので会社の損害との間に相当の因果関係がある場合は、実際の損害の全部または一部に賠償責任が生じることがあり、その場合でも賃金からの天引きは許されないとしています[3]。会社の決まりがどうなっているかは、面接で聞いてください。

Q3. 固定残業代の時間数が求人に書かれていないときは?

今回の10件で、固定残業代が何時間分かを書いた求人は1件、固定残業代なしと書いた求人は1件でした[1]。厚生労働省のリーフレットの記載例は、基本給の額、何時間分の手当としていくらか、超えた分を追加で支給することの3点を示しています[2]。この3点を面接で聞きます。

Q4. 面接で聞いた条件はどこで確かめればいいですか?

厚生労働省のリーフレットは、労働契約を結ぶときには、労働基準法にもとづき労働条件通知書などで労働条件を明示する必要があるとしています[2]。また、面接などの過程で最初に示した労働条件が変わる場合は、変更内容を明示する必要があるとしています[2]。面接で聞いた内容は、入社前に書面で確かめてください。

出典(公式情報)

  • [1]ドラEVER 正社員トラック求人10件の詳細ページ(北海道・新潟・静岡・沖縄・鹿児島 各2件) https://doraever.jp/(2026年10月13日 日本時間に取得)
  • [2]厚生労働省 リーフレット「募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!」 https://www.mhlw.go.jp/content/001114110.pdf(2026年10月13日確認)
  • [3]厚生労働省 確かめよう労働条件 Q&A「不良品を出すごとに賠償金を賃金控除することは、労基法上許されますか?」 https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/koyou/q6.html(2026年10月13日確認)

この記事を書いた人

もと:物流会社で22年、中間管理職を務めた元会社員。求人票の読み方や、手当・シフトの仕組みなど、現場を知る視点からドライバーの職場選びを解説しています。

応募する求人を1件選び、表2の10項目のうち求人に書かれていないものに印をつけてから面接に行ってください。
→ 面接で聞く質問リスト(表2)へ戻る

求人票の給与欄の読み方も合わせて見てください。
→ トラックドライバーの求人の見方

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