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タクシーの求人に二種免許の取得費用を会社が持つと書いてあっても、それだけで安心はできません。何年勤めれば返さなくてよいのか、途中で辞めたら請求されるのかは、また別の話だからです。
実際にどこまで書かれているのかを確かめるため、大阪府と福岡県の正社員タクシー求人23件を1件ずつ読み、費用負担と返済条件の書かれ方を数えました[1]。
先に結論:「全額負担」は分かるが、「返さなくてよい条件」は分からない
- 費用:23件中17件が全額を会社負担と明記していました。一部負担と明記した求人は0件です[1]。
- 返済条件:返済免除までの在籍期間や、退職時の返還規定を書いた求人は0件でした[1]。
会社が費用を出すかどうかは求人票で読めます。一方で、どんな条件つきで出すのかは、面接や書面で確かめるしかありません。
23件の内訳:取得費用の負担はどう書かれているか
集計の対象は、転職道.comに掲載された大阪府の求人全件(同じ会社は表示順で最初の1件のみ、17件)と、福岡県の表示順上位7件、合わせて24件です。このうち、詳細ページに取得費用の負担についての記載がなかった大阪の1件を除いた23件(大阪16件・福岡7件)を数えています。いずれも雇用形態に正社員を含む求人です[1]。
表1:二種免許の取得費用の負担の書かれ方(N=23/2026年10月6日取得/出典:転職道.com 大阪府・福岡県の求人詳細ページ[1])
| 区分 | 件数 | 大阪(16) | 福岡(7) |
|---|---|---|---|
| 全額を会社負担と明記 | 17 | 13 | 4 |
| 会社負担・支援制度ありの表記のみ(全額か一部か不明) | 6 | 3 | 3 |
| 一部負担と明記 | 0 | 0 | 0 |

※1つのサイトの、特定の地域の掲載分だけを数えた結果で、全国の傾向を表すものではありません。「記載なし」は制度がないという意味ではなく、求人票に書かれていないだけです。求人の本文は転載していません。
「何年いれば返さなくてよいか」を書いた求人は0件
表2:返済免除の条件と返還規定の記載(N=23/2026年10月6日取得/出典:転職道.com 大阪府・福岡県の求人詳細ページ[1])
| 項目 | 記載あり | 記載なし |
|---|---|---|
| 返済免除までの在籍期間(月数・年数) | 0 | 23 |
| 退職時に返還を求める規定 | 0 | 23 |
| 返金規定がない旨を明記 | 1 | — |

在籍期間を書いた求人がないため、平均で何年勤めれば返済が免除されるのかという数字は出せません[1]。
逆に、返金規定がないことをわざわざ明記した求人が大阪に1件ありました[1]。規定の有無を求人票に書くかどうかも、会社を比べるときの材料になります。
面接で確かめる5項目
表1・表2で「記載なし」が並んだ部分は、応募前の問い合わせや面接で聞くしかありません。口頭だけで済ませず、書面で見せてもらえるかも併せて確認してください。
- 負担の範囲:教習費用・試験手数料・交通費のうち、どこまでを会社が持つのか。
- 社内規定の有無:費用負担に条件をつける社内規定があるか。あれば文面を事前に読めるか。
- 在籍の条件:返済が免除されるまでの期間があるか。途中で辞めたときに返還を求められるか。
- 養成期間中の日当:教習所に通う期間と社内研修の期間で額が変わるか。
- 乗務開始後の給与保証:保証の期間と、対象者や勤務形態の限定があるか。
返還を求める規定がどこまで有効かは、個別の事情で変わります。この記事では判断しません。不安が残るときは、労働基準監督署や都道府県労働局の総合労働相談コーナーといった公的な窓口に相談してください。
養成・研修期間中の日当
同じ23件で、養成・研修期間中の日当も確認しました。日額を書いていたのは15件で、そのうち11件が10,000円でした[1]。ただし、免許を取る前の教習期間の額なのか、取った後の社内研修の額なのかが読み取れない書き方が多く、教習中と社内研修中で額を分けて書いた求人もありました[1]。上の5項目の4番目に入れたのはこのためです。
応募条件と受験資格:普通免許1年でも応募できる求人がある
普通免許の取得年数の条件は、地域で傾向が分かれました。大阪は16件中15件が3年以上、福岡は7件中5件が1年以上を条件にしています[1]。
この差の背景にあるのが、第二種免許の受験資格の特例です。愛知県警察の案内では、二種免許の受験資格は通常21歳以上で、大型・中型・準中型・普通・大特のいずれかの免許を受けてから3年以上(免許停止期間を除く)の経歴が必要と記載されています[3]。
一方、警察庁の資料には、自動車教習所で受験資格特例教習を修了すると、19歳以上で、普通免許等を受けていた期間が通算1年以上あれば第二種免許の試験を受けられると記載されています[2]。教習は、年齢要件の特例が7時限以上、経験年数要件の特例が29時限以上です[2]。
注意したいのは、年齢要件の特例を使って取った場合です。同じ資料によると、本来の受験年齢(第二種免許は21歳)に達するまでは若年運転者期間となり、その間に違反の合計点数が3点以上になると若年運転者講習(9時間)を受ける義務が生じます(1回の違反で3点の場合は除く)。講習を受けなければ、特例で取った免許は取り消されると記載されています[2]。
会社負担で取るか、自費で先に取るか
二種免許は、入社してから会社負担で取る方法と、入社前に自費で取る方法があります。会社負担なら費用を立て替えずに済みますが、表2のとおり、その条件は求人票からは読めません。自費で先に取る場合は、費用を自分で用意する必要があります。条件を確かめたうえで、どちらが自分に合うかを選んでください。
自費で取る場合は、合宿免許の予約サイトで教習所を探す方法もあります。二種免許を扱っているか、料金はいくらかは、公式サイトで確認してください。
→ 合宿免許受付センター 公式サイト
[6]
聞きにくい条件は転職サービスの担当者に確認してもらう
返済条件や規定の中身を、応募先へ自分で切り出しにくい人もいるはずです。タクシー専門の転職サービスなら、担当者を通して確認を頼めます。転職道.comとドライバーズワークは、どちらもトップページで求職者向けのサービスを無料と案内しています[4][5]。ただし、養成制度の規定まで確認してくれるかは公開情報からは分かりません。相談するときに「二種免許の費用負担の条件を確認したい」と最初に伝えておくと話が早く進みます。
転職サイトどうしの比べ方は、タクシー転職サイトの比較記事にまとめています。
よくある質問
Q1. 会社負担で取ったあと、途中で辞めたら費用を返すことになりますか?
今回の23件には、退職時の返還規定も、返済免除までの在籍期間も書かれていませんでした[1]。入社前に書面で確認してください。規定の有効性が気になる場合は、公的な相談窓口が使えます。
Q2. 普通免許を取って1年ほどでも応募できますか?
受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上・普通免許等の期間が通算1年以上で受験できます[2]。福岡では7件中5件が1年以上で応募可としていました[1]。応募先が特例教習に対応しているかは、求人ごとに確認が必要です。
Q3. 養成や研修の期間中も給料は出ますか?
23件中15件が日当の額を書いており、そのうち11件が日額10,000円でした[1]。ただ、免許を取る前の教習中の額か、取った後の研修中の額かがはっきりしない求人が多いため、期間ごとの額を確認しておくと安心です。
出典
- [1]転職道.com 大阪府の求人一覧 https://www.tenshokudou.com/osaka/search?type=map_search /福岡県の求人一覧 https://www.tenshokudou.com/fukuoka/search?type=map_search と各求人の詳細ページ(2026年10月6日閲覧・集計、N=23)
- [2]警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて(令和4年5月13日)」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/jyuken_tokurei.html(2026年10月7日閲覧)
- [3]愛知県警察「運転免許の受験資格」 https://www.pref.aichi.jp/police/menkyo/tetsuzuki/menkyoshiken/shikaku.html(2026年10月7日閲覧)
- [4]転職道.com トップページ https://www.tenshokudou.com/(2026年10月7日閲覧)
- [5]ドライバーズワーク トップページ https://drivers-work.com/(2026年10月7日閲覧)
- [6]合宿免許受付センター https://www.drivers-license.jp/(2026年10月7日閲覧)
書いた人:もと 物流の会社に22年勤め、現場の管理職も経験しました。求人票の裏にある条件を読み解く記事を書いています。
応募する前に、面接で確かめる5項目をもう一度見直しておきましょう。