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年間休日の多いドライバーの職場を探すとき、最初につまずくのは求人票そのものだ。ドラEVERの8府県(京都・奈良・群馬・栃木・長野・岐阜・三重・山口)で正社員ドライバーの求人27件を1件ずつ開いて休日欄を読むと、年間休日数が数字で書かれていたのは10件しかなかった[1]。残りの17件はシフト制、月6日以上、当社規定による、といった表記で、1年で何日休めるのかを求人票から読み取れない。
しかも、表記の強さと実際の日数は一致しない。27件には完全週休2日制なのに年間休日を105日以上とした求人があり、逆に日・祝休みとだけ書かれて年間休日120日の求人もあった[1]。「完全週休2日制だから休みが多い」という読み方では、順番を取り違える。
そこでこの記事では、年間休日の多い職場を見分ける手順を3つに分けて整理する。求人票の休日表記を型ごとに読む、書かれていないときに何を聞くか決めておく、公的な平均値を基準として持っておく——この順で進める。
結論:年間休日の多い職場を見分ける3つの要点
- まず「年間休日数が書いてあるか」で選別する。調べた27件のうち数字があったのは10件(37%)だけだった[1]。数字がある求人は比較の土台に乗る。ない求人は、面接や問い合わせで日数を確認してからでないと他社と並べられない。
- 「完全週休2日制」などの言葉の強さで判断しない。27件では、完全週休2日制でも年間105日以上の求人があり、曜日指定だけで年間120日の求人もあった[1]。祝日や長期休暇の扱いで年間の合計は変わる。
- 120日以上を目安の線にする。全産業の1企業平均年間休日総数は112.4日で、年間休日120日以上の企業は約4割(120~129日の37.3%と130日以上の2.0%の合計で39.3%)だった[2]。120日以上は全産業で見ても多い側に入る。
調べた27件のうち、年間休日数が書かれていたのは10件
最初に、求人票に年間休日数がどれだけ書かれているかを数えた結果を置く。対象は、ドラEVERの都道府県別一覧ページ(1ページ目・表示順)から条件に合う正社員ドライバー求人を各府県3〜4件ずつ拾った27件。2026年10月6日に各求人の詳細ページを開いて休日・休暇欄と福利厚生欄を読んだ[1]。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 対象件数 | 27件 |
| 年間休日数の数値あり | 10件(37%) |
| 年間休日数の記載なし | 17件(63%) |
| 数値ありの中央値 | 113.5日 |
| 数値ありの最小 | 105日 |
| 数値ありの最大 | 158日 |
| 年間休日120日以上 | 5件(27件中19%/数値あり10件中50%) |

中央値113.5日は、数値があった10件(昇順で105/105/105/107/107/120/123/125/133/158)の5番目と6番目の平均値だ。27件全体の中央値ではない。最大の158日は完全週休3日制(4週12休)の求人だった[1]。120日以上の5件のうち1件は、公休118日と初年度付与の年次有給休暇15日を足した内訳の表記で、公休だけで数えると120日以上は4件になる[1]。
この集計は8府県・1サイト・一覧1ページ目の27件を数えたもので、ドライバー求人全体を代表する数字ではない。「この条件で集めた27件ではこうだった」という範囲で読んでほしい。企業名と求人本文は載せていない。掲載日が2024年以前の求人も5件含まれており、求人の条件は時間が経てば変わる[1]。
休日表記の型ごとに、確認することが変わる
27件の休日欄を、求人ごとの主たる表記で8つの型に分けた。年間休日数が併記されているかどうかは型によって差が出る[1]。
| 休日表記の型 | 件数 | 年間休日数あり |
|---|---|---|
| 完全週休2日制 | 3 | 2 |
| 週休2日制(「完全」なし) | 4 | 1 |
| 完全週休3日制(4週12休) | 1 | 1 |
| 曜日指定のみ(日・祝休みなど) | 4 | 3 |
| 土曜隔週+日祝 | 1 | 0 |
| 月○日(月6日以上、月平均9日など) | 5 | 1 |
| シフト制のみ(日数の表記なし) | 6 | 2 |
| 当社規定による・コースによる・記載なし | 3 | 0 |
| 合計 | 27 | 10 |

年間休日数の記載がない17件には、月○日の表記だけで年間の日数が書かれていない4件が含まれる[1]。型ごとに、求人票を見た段階で押さえておく点をまとめる。
- 完全週休2日制……毎週2日の休みがある前提の表記。それでも祝日と長期休暇の扱いで年間の合計は動く。27件では年間休日を105日以上と併記した例があった[1]。年間休日数の併記を探す。
- 週休2日制(「完全」なし)……月に1回でも2日休みの週があればこの表記になりうる。27件の4件のうち3件は年間休日数の記載がなく、毎週2日休めるかは表記から判断できなかった[1]。
- 曜日指定のみ(日・祝休みなど)……休む曜日はわかるが年間の合計は別の話。27件では日・祝休みで年間120日の求人と年間105日の求人の両方があった[1]。土曜の扱いを確認する。
- 月○日……月の公休日数×12が年間の公休の目安になる。ただし長期休暇や有給が別枠かどうかで変わる。27件の5件のうち年間休日数の併記は1件だけだった[1]。
- シフト制のみ・当社規定による・コースによる……この9件のうち7件は、求人票だけでは年間の日数を読めなかった[1]。配属コースごとに休日が違う可能性があるため、応募する職務の休日を個別に聞く。
書かれていないときに聞くこと
年間休日数の記載がない17件のような求人では、質問の形を決めておくと比較できる形の答えが返ってくる[1]。
- 「この職務の年間休日は何日ですか」——月の公休ではなく年間の日数で聞く。会社カレンダーがあれば日数が確定している。
- 「公休と年次有給休暇は分けて数えた日数ですか」——内訳表記の求人が実際にあった(公休118日+年休15日で133日)[1]。合算か公休のみかで評価が変わる。
- 「GW・夏季・年末年始の休みは何日ですか」——27件のうち、長期休暇の日数まで書いていたのは4件だった[1]。
- 「年次有給休暇の取得実績は何日ですか」——有給の記載は21件あったが、取得日数や取得率を数字で示していたのは3件にとどまった[1]。
求人票のどこを見るかをもう少し広く押さえたい場合は、トラックドライバー求人票の見方も合わせて読める。
公的データで「多い/少ない」の線を持っておく
求人票の日数を評価するには、比べる相手が必要になる。厚生労働省の就労条件総合調査が、企業の年間休日総数と年次有給休暇の全国の値を出している[2]。
| 区分 | 1企業平均年間休日総数 | 労働者1人平均年間休日総数 | 年次有給休暇の取得率 |
|---|---|---|---|
| 調査計(全体) | 112.4日 | 116.6日 | 66.9% |
| 運輸業,郵便業 | 不明 | 不明 | 65.3% |
概況によると、令和6(2024)年1年間の年間休日総数の1企業平均は112.4日(令和6年調査112.1日)、労働者1人平均は116.6日(同116.4日)で、いずれも昭和60(1985)年以降で最も多いと記載されている[2]。年間休日総数の階級別では120~129日が37.3%、130日以上が2.0%で、合計すると120日以上の企業は39.3%になる[2]。
年次有給休暇は、労働者1人平均の付与日数が全体で18.1日・取得日数12.1日、「運輸業,郵便業」は付与17.4日・取得11.4日だった[2]。取得率は全体66.9%に対して運輸業,郵便業が65.3%で、差は1.6ポイントにとどまる[2]。有給の取得については、運輸業だから取れないとは数字の上では言えない。
なお、運輸業,郵便業の年間休日総数の平均値として103.5日という数字を挙げている記事があるが、この数値は同概況のPDFには出てこない。本記事では原典で確認できていないため使わず、「不明」としている[2]。
改善基準告示が決めているのは「休日の長さ」で、年間の日数ではない
トラック運転者には改善基準告示という基準があり、休日や休息期間の扱いが決まっている[3]。ただし定めているのは1回の休日が何時間連続するかで、年間休日の日数の下限ではない。確認したパンフレットの範囲では、年間休日の日数を定めた規定は見当たらなかった[3]。年間休日の多さは会社ごとの差になる。
| 項目 | 原文の文言 | 区分 |
|---|---|---|
| 1日の休息期間 | 「1日の休息期間は、勤務終了後、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回ってはなりません。」(7ページ) | 【原則】継続11時間以上=努力義務としての基本/継続9時間=下回ってはならない下限 |
| 1日の休息期間の例外 | 「宿泊を伴う長距離貨物運送(P5参照)の場合、1週について2回に限り、継続8時間以上とすることができます。」(7ページ) | 【例外】宿泊を伴う長距離貨物運送の場合のみ |
| 休日の定義 | 「休日は、休息期間に24時間を加算して得た、連続した時間とします。ただし、いかなる場合であっても、その時間が30時間を下回ってはなりません。」(17ページ) | 30時間=下回ってはならない下限 |
| 休日の長さの目安 | 「このため、休日については、通常勤務の場合は継続33時間(9時間+24時間)、隔日勤務の場合は継続44時間(20時間+24時間)を下回ることのないようにする必要があります。」(17ページ) | 原則として下回らないようにする |
| 休日労働の回数 | 「休日労働の回数は2週について1回が限度です。」(19ページ) | 限度 |
| 1日の拘束時間 | 「1日(始業時刻から起算して24時間をいう。)の拘束時間は13時間以内とし、これを延長する場合であっても、上限は15時間です。」(5ページ) | 【原則】13時間以内、延長する場合も上限は15時間 |
| 1日の拘束時間の例外 | 「宿泊を伴う長距離貨物運送の場合、1週について2回に限り、1日の拘束時間を16時間まで延長することができます。」(5ページ) | 【例外】1週の運行がすべて長距離貨物運送(一の運行の走行距離が450km以上)で、休息期間が住所地以外の場所の場合 |

この「休日=休息期間+24時間」という決め方は、休日の数え方を確認するときに使える。前日の帰庫が遅いと、暦の上の休みが1日あっても連続した休息の時間は短くなる。年間休日の日数と、1日の拘束時間の長さは別々に聞いておきたい[3]。なお、災害時の緊急輸送や危険物の運搬など一部の業務は、改善基準告示の適用が除外されている(17ページ)[3]。
よくある質問
年間休日120日は、ドライバーの求人では多いほうですか
全産業で見ると多い側に入る。1企業平均年間休日総数は112.4日で、年間休日120日以上の企業は39.3%(120~129日の37.3%+130日以上の2.0%)だった[2]。調べた27件では、年間休日数の記載があった10件のうち120日以上は5件だった[1]。ただし運輸業,郵便業に限った年間休日総数の平均値は、同概況に産業別の掲載がなく不明のままだ[2]。
求人票に年間休日が書かれていないときは、どうすればいいですか
書かれていない求人は珍しくない。27件では17件(63%)に年間休日数の記載がなかった[1]。応募前の問い合わせか面接で「この職務の年間休日は何日か」「公休と年次有給休暇を分けた日数か」を聞き、他社の数字と同じ単位に揃えてから比べる。配属コースごとに休日が違う求人もあるため、応募する職務について聞くほうが確実だ[1]。
「完全週休2日制」と書いてあれば休みは多いと考えていいですか
表記だけでは決まらない。27件のなかには、完全週休2日制と書きながら年間休日は105日以上とされた求人があった一方、日・祝休みとだけ書かれて年間休日120日の求人もあった[1]。週あたりの休みの数が同じでも、祝日と長期休暇の扱いで年間の合計は変わる。年間休日数の併記を探し、なければ数字で聞く。
有給休暇は取れるのでしょうか
取得率で見ると、運輸業,郵便業は65.3%、全体は66.9%で近い水準にある[2]。求人票のほうは、有給休暇ありの記載だけでは中身がわからない。27件では有給の記載が21件あったのに対し、取得日数や取得率を数字で書いていたのは3件だった[1]。面接では制度の有無ではなく取得実績の数字を聞くほうが、職場ごとの差が見える。
休日条件で求人を絞れるサービス
年間休日から職場を探すなら、休日の条件で絞り込めるサービスで候補を集め、そのうえで年間休日数が書かれている求人から見ていく順番になる。下の2つは、2026年10月7日時点で休日条件の絞り込みページを確認できたサービスだ[4][5]。
| サービス | 休日条件の絞り込み | 取得時点の表示値 |
|---|---|---|
| ドラEVER | 月8日以上の条件ページあり | トップページの求人数24,096件、月8日以上2,103件(2026年10月7日15時23分取得)[4] |
| ドライバーズワーク | 休日多いの条件ページあり | 休日多い150件、ページ上の最終更新2026年10月07日(2026年10月7日15時23分取得)[5] |
並び順は報酬額とは関係ない。求人件数は日によって変わるため、表の値は2026年10月7日に取得した時点の表示値だ。また「休日多い」のような条件タグについて、基準となる年間休日の日数はページ上に説明が見当たらなかった[5]。タグで絞ったあとも、年間休日数は求人票と面接で確かめる手順を飛ばさないほうがいい。
まず手を動かす1つを決めるなら、ドラEVERの月8日以上の求人一覧かドライバーズワークの休日多いの求人一覧を開き、気になった求人の休日欄に年間休日数が書かれているかだけを見ていく。表1のとおり、数字が書かれている求人は3件に1件ほど[1]。数字がある求人を5件集めるところまでが最初の一歩になる。
出典
- ドラEVER(https://doraever.jp/)の都道府県別一覧ページ(京都・奈良・群馬・栃木・長野・岐阜・三重・山口)1ページ目から抽出した正社員ドライバー求人27件の独自集計。各求人の詳細ページの休日・休暇欄、年間休日、福利厚生欄を2026年10月6日に確認。8府県・1サイト・一覧1ページ目のみの少数サンプルであり、代表性はない。企業名と求人本文は掲載していない。
- 厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査の概況」(政策統括官付参事官付賃金福祉統計室、令和7年12月19日公表)https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/25/dl/gaikyou.pdf 年間休日総数は令和6(2024)年1年間の実績。2026年10月6日閲覧。
- 厚生労働省「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」(令和6年4月~適用)https://www.mhlw.go.jp/content/2023_Pamphlet_T.pdf 2026年10月7日閲覧。
- ドラEVER トップページ(https://doraever.jp/)および「月8日以上のドライバー求人・運転手求人一覧」(https://doraever.jp/job-lists/%E6%9C%888%E6%97%A5%E4%BB%A5%E4%B8%8A)2026年10月7日取得。運営者表記「DORAEVER Co. ltd」。
- ドライバーズワーク「休日多いの運送配送求人」(https://logi.drivers-work.com/search/feature/f09/)2026年10月7日取得。
この記事を書いた人
もと。物流会社で22年、中間管理職を務めた元会社員。ドライバーの職場選びについて、公開されている求人と公的な統計を自分で数えて書いている。この記事の数字は、出典に挙げた一次資料だけを根拠にした。年収や合否の断定、将来の予測はしない。制度の個別の判断については、労働基準監督署などの公的な窓口で確認してほしい。