ドライバーの職場選び

観光バス運転手はきつい?求人7件と国の基準で見る宿泊・拘束時間・休日

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この記事では、観光バス運転手のきつさを、泊まりの運行、1日の長さ、休みの不規則さの3点から見ます。ドライバー専門の求人サイト「ドラEVER」の観光バス一覧に載っていた正社員の求人7件と、厚生労働省の改善基準告示(バス運転者)を並べて、求人に何が書かれているか、国の基準で上限がどう決まっているかを整理しました。

先に結論です。今回の求人7件では、宿泊運行または宿泊手当の記載があったのが5件、年間休日の日数を書いた6件の中央値は106.5日(101〜120日)でした[1]。国の基準では、貸切バスの運転者などは労使協定により、1か月の拘束時間を原則の281時間から294時間まで延ばせます(年6か月まで)[2]。

結論:観光バス運転手のきつさは「泊まり」「1日の長さ」「休み」を求人ごとに確かめる

  1. 泊まり:7件中5件に宿泊運行か宿泊手当の記載がありました。宿泊を伴う運行が月に何回あるかを書いた求人はありませんでした[1]。
  2. 1日の長さ:国の基準では、バス運転者の1日の拘束時間は13時間以内で、延ばす場合も最大15時間です[2]。求人の1日の流れには、6時や7時に始まる例がありました[1]。
  3. 休み:休日欄にシフト制や勤務表によると書いた求人が5件、年間休日が105日未満の求人が2件ありました[1]。

観光バスの求人7件に書かれていたこと

2026年10月14日(日本時間)に、ドラEVERの観光バス一覧の1ページ目に表示された20件を順に開き、主な仕事が貸切・観光バスの運転で、雇用形態に正社員を含む求人を選びました。乗合バスとの兼務が中心の求人、高速夜行バス専業、企業送迎、ロケバス、契約社員のみの求人、運転以外の職種は除いています。勤務地は埼玉2件、東京・神奈川・兵庫・新潟・三重が各1件です[1]。

表1:観光バス運転手の求人7件の集計(取得日:2026年10月14日/出典:ドラEVER 各求人の詳細ページ[1]、筆者集計)

項目7件の結果
月給の下限(中央値・範囲)25万円(19万8,000円〜35万円)
月給の上限の記載5件(35万〜50万円。うち1件は45万円以上という書き方)
年間休日の日数記載6件・中央値106.5日(101〜120日)、記載なし1件
宿泊運行または宿泊手当の記載5件(本文に宿泊を伴う運行の記載2件、宿泊手当の記載3件)
夜行運行まれにある1件、基本的に運行しない1件、記載なし5件(うち1件は夜行手当の記載あり)
残業・固定残業代の時間5件(月平均2〜3時間、月平均25時間程度、月30時間程度、月45時間程度、固定残業代46時間分を含む)
休日欄にシフト制・勤務表による5件
普通一種免許から応募できる2件
免許取得の費用補助・支援・養成の記載4件
閑散期の給与の保証の記載2件
観光バス求人7件に書かれていた項目の件数。年間休日の日数6件、宿泊運行または宿泊手当5件、残業・固定残業代の時間5件、休日欄にシフト制・勤務表5件、免許取得の費用補助・支援・養成4件、普通一種免許から応募可2件、閑散期の給与の保証2件の横棒グラフ
図1:観光バス求人7件に書かれていた項目の件数(2026年10月14日取得)

※宿泊の記載は、本文に宿泊を伴う運行・宿泊ツアーの記載があるもの、または手当の欄に宿泊手当があるものを数えました。宿泊費・食事代を会社が負担すると書いた求人(1件)は、本文に宿泊ツアーの記載があるため宿泊運行の側に入れています。月給は各求人の給与欄の額(1件は総支給額と表記)で、1件は雇用形態に正社員と契約・準社員を併記していました。7件は1つの求人サイトの一覧から選んだもので、観光バスの求人全体の割合を表すものではありません。求人の本文は転載していません。

泊まりの運行:記載はあっても回数までは分からない

7件のうち2件は、本文で宿泊を伴う運行があると書いていました。1件は関東圏を中心に北陸・東北方面への宿泊運行があると書き、もう1件は日帰り・宿泊・教育旅行の運行を挙げ、2泊3日のツアーを1日の流れの例に載せていました[1]。別の3件は、給与や手当の欄に宿泊手当を挙げていました。1件は宿泊手当の金額を1回2,500円と書いていました[1]。

一方で、1日の流れの例を除くと、宿泊を伴う運行が月に何回あるか、1回が何泊かの目安を書いた求人は7件の中にありませんでした。泊まりの多さが気になる人は、応募前に会社へ聞く必要があります。

1日の長さ:求人の例と国の基準

求人の1日の流れの例を見ると、6時出社で16時退社(1件)、7時出庫で観光ツアーなら18時帰庫(1件)といった例がありました。勤務時間を8時〜18時、拘束時間10時間30分と書いた求人もありました[1]。いずれも求人に例として書かれた時刻です。

バス運転者の拘束時間(出社から退社までの、労働時間と休憩時間を合わせた時間)には、改善基準告示で上限があります。2024年4月1日から適用されている基準を、原則と貸切バス等の運転者の例外に分けて表2にまとめました[2]。

表2:バス運転者の改善基準告示(2024年4月1日以降/出典:厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト[2])

項目原則貸切バス等の運転者(労使協定がある場合)
1年の拘束時間3,300時間以内3,400時間以内
1か月の拘束時間281時間以内年6か月まで294時間まで延長可。281時間を超える月は連続4か月まで
4週平均1週の拘束時間65時間以内52週のうち24週まで68時間まで延長可。65時間を超える週は連続16週まで
1日の拘束時間13時間以内。延長する場合も最大15時間(14時間を超える回数は週3回までが目安)
1日の休息期間継続11時間以上を基本とし、継続9時間を下回らない
運転時間2日平均で1日9時間、4週平均で1週40時間以内52週の総運転時間2,080時間以内で、52週のうち16週まで4週平均1週44時間まで延長可
連続運転時間4時間以内。高速バス・貸切バスの高速道路の実車運行区間は、おおむね2時間までとするよう努める(貸切バスの夜間運行では高速道路以外も含む)
バス運転者の1か月の拘束時間の上限。原則281時間、貸切バス等の運転者は労使協定により年6か月まで294時間の縦棒グラフ
図2:バス運転者の1か月の拘束時間の上限(改善基準告示・2024年4月以降)

※1年・1か月の基準と、52週・4週平均1週の基準は、どちらか一方を選んで適用します[2]。

貸切バス等の運転者には、貸切バス運転者のほか、貸切バスを運行する営業所の運転者、高速バス運転者、一時的な需要に応じて追加で運行する営業所の乗合バス運転者が含まれます[2]。観光バスの運転手は、労使協定があれば1か月の拘束時間の上限が原則より13時間長くなる場合があるということです。延長があるかどうかは会社の労使協定によるため、求人からは分かりません。

休みの不規則さ:シフト制が多く、年間休日は101〜120日

休日欄にシフト制や勤務表によると書いた求人は7件中5件で、残る2件は4週8休、年間休日120日(月平均10日以上)という書き方でした[1]。年間休日の日数を書いた6件では、最も少ないのが101日、最も多いのが120日です。105日未満は2件でした[1]。

閑散期の給与について書いた求人は2件で、1件は閑散期の最低保証あり、もう1件は月給35万円からを最低保証とし閑散期も給与が下がらないと書いていました[1]。路線バスとの休日や勤務時間帯の違いは、観光バスと路線バスの運転手の違いにまとめています。

応募前に会社へ確かめる5つのこと

表1と表2を読んでも、求人だけでは分からない点を質問の形にしました。

  1. 宿泊を伴う運行は、月に何回くらいありますか。1回は何泊が多いですか。
  2. 1日の拘束時間は、日帰りの運行で何時間くらいですか。
  3. 拘束時間を延長する労使協定はありますか。延長するのは何月ですか。
  4. 休みは何日前に決まりますか。連休は取れますか。
  5. 閑散期に運行が減った月の給与は、どう決まりますか。

年収の数字はバス運転手の年収、会社負担で大型二種を取る方法はバス運転手の大型二種の養成制度にまとめています。

よくある質問

Q1. 観光バス運転手は泊まりの仕事がありますか?

今回の求人7件では、5件に宿泊運行か宿泊手当の記載がありました。宿泊を伴う運行が月に何回あるかを書いた求人はなかったため、回数は応募前に会社へ確かめてください[1]。

Q2. 観光バス運転手の1日の拘束時間に上限はありますか?

あります。改善基準告示では、バス運転者の1日の拘束時間は13時間以内で、延長する場合も最大15時間です。14時間を超える回数は週3回までが目安とされています[2]。

Q3. 普通免許だけでも観光バス運転手に応募できますか?

今回の7件では、普通一種免許から応募できる求人が2件、免許取得の費用補助・支援・養成を書いた求人が4件ありました[1]。うち1件は、養成期間中の賃金は相談と書いていました[1]。

Q4. 観光バス運転手の休みは多いですか?

今回の7件で年間休日の日数を書いた6件の中央値は106.5日で、101〜120日の幅がありました。休日欄にシフト制や勤務表によると書いた求人は5件です[1]。

出典(公式情報)

この記事を書いた人

もと:物流会社で22年、中間管理職を務めた元会社員。求人票の読み方や、手当・シフトの仕組みなど、現場を知る視点からドライバーの職場選びを解説しています。

気になる観光バスの求人を1件選び、宿泊運行の回数と1日の拘束時間を会社に聞いてみてください。
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路線バスと比べてから決めたい人は、勤務時間帯と休日の違いも見てください。
→ 観光バスと路線バスの運転手の違い

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