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バス運転手の求人には、大型二種免許の養成制度や取得支援が書かれたものが多くあります。ただ、会社が費用をどう出すのか、何年働けば返さなくてよいのか、教習中はどんな立場で給料が出るのかは、募集ごとに書き方が違います。バス会社12社の公開募集ページを同じ日に読み、項目ごとに数えました。
先に結論です。12件のうち、費用を貸す・立て替える形と書いていたのは4件、後から分割で支給する形が1件でした。費用の返済や支給に在籍年数の条件を書いていたのは6件(3年が4件、5年が2件)です。教習中の給与の金額を書いていたのは7件でした[1]。
結論:養成制度は「費用の出し方」「在籍年数」「教習中の立場」の3点で比べる
- 費用の出し方は4通り:貸す・立て替える4件、後から分割で支給1件、負担・支援とだけ書く5件、費用の記載なし2件でした[1]。
- 在籍年数の条件は12件中6件:3年で返済免除などが4件、5年で返済免除などが2件。残り6件は取得したページに条件の記載がありませんでした[1]。
- 教習中の立場はばらばら:契約社員・会計年度任用職員として教習を受ける形が5件、免許を取ってから採用・入社する形が4件、正社員で教習を受ける形が1件、記載なしが2件でした[1]。
バス会社12社の養成制度の条件一覧
2026年10月13日(日本時間)に、大型二種免許がなくても応募でき、会社が取得を支援するバス運転士の募集ページ・採用選考案内を取得しました(公営2・民営10)。このうちDとEは受付期間が終わった回の案内、Nは掲載終了のページで、今も同じ条件で応募できるとは限りません。地域は山形・新潟・東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・三重・京都・大阪・兵庫です。取得したページの本文に書かれていなければ記載なしとしています(別ページの規程や説明会の案内は見ていません)。社名は書かず記号にしました[1]。
表1:大型二種の養成制度がある募集12件の条件(取得日:2026年10月13日/出典:各社の公開募集ページ[1])
| 記号 | 費用の出し方 | 返済・不支給の条件 | 教習中の立場と給与 | 応募の免許条件 |
|---|---|---|---|---|
| A(民営・山形) | 取得費用を支援(範囲・額の記載なし) | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| D(公営・兵庫) | 教習所費用を全額負担(手数料等は除く)。勤続1年ごとに分割で支給し、3年で支給完了 | 3年未満で退職すると、以後は支給しない | 免許を取ってから最終選考・採用。教習中の給与の記載なし | 大型二種の受験資格(通算3年など) |
| E(公営・東京) | 教習所の免許取得費用を局が負担(試験・交付手数料は自己負担) | 任用後3年以内に離職すると一部または全額を返還 | 会計年度任用職員。時給1,585円 | 大型二種の受験資格(通算3年、または1年+特例教習) |
| F(民営・東京/神奈川) | 基本費用を会社が貸与 | 正社員として入社後5年で返済免除 | 契約社員(日給制・1か月以内)で日当。別に教習期間中の月給23万7,500円の記載あり | 免許経歴が通算3年以上 |
| G(民営・東京/神奈川) | 記載なし(養成制度の名前のみ) | 記載なし | 契約社員。日給7,500円(月最大165,000円) | 普通一種(AT限定可)取得後1年以上 |
| H(民営・神奈川) | 費用を貸与(試験・交付手数料は自己負担) | 入社後5年間良好に勤務すれば返済不要 | 契約社員(約3か月・更新なし)。月給208,380円 | 免許経歴が通算3年以上 |
| I(民営・京都/大阪) | 基本費用の全額を支援。貸付のうえ立替払い | 入社後3年勤務で返済を全額免除 | 免許を取ってから入社。教習中の給与の記載なし | 普通免許(AT限定可)取得後1年以上 |
| J(民営・愛知) | 記載なし | 記載なし | 正社員。研修中も同賃金(初任給226,000円) | 普通免許(AT限定可)取得1年以上 |
| K(民営・東京/埼玉/千葉) | 教習費用を会社がサポート(範囲・額の記載なし) | 記載なし | 通所中は雇用契約なし。教習実習日に日当1回7,000円 | 普通一種(MT)取得後3年以上 |
| L(民営・東京) | 合宿費用を支援。入社後に最大50万円を支給 | 記載なし | 免許を取ってから二次選考・入社。期間中は日当(額の記載なし) | 普通免許取得後3年以上 |
| N(民営・新潟) | 取得費用は会社が負担 | 記載なし | 記載なし | 普通自動車免許(AT限定可)。年数の記載なし |
| O(民営・三重) | 最大80万円を支援(貸付) | 3年間の継続勤務で返済免除(満55歳までの制度) | 契約社員。教習時間は時給1,140円 | 大型一種・普通一種・二種(AT可)。年数の記載なし |

会社負担や全額支援と書かれていても、Iは貸付のうえ立替払い、Dは勤続1年ごとの分割支給で、在籍年数の条件がついていました。Eは局が負担すると書いた上で、任用後3年以内に離職すると一部または全額を返還すると書いています。逆に、条件の記載がなかった6件に条件がないとは限りません。取得したページに書かれていなかったという意味です。
※Lの最大50万円は、これから大型二種を取る人と、取得後6か月以内に採用試験を受ける人が対象と書かれています。Kは25歳以下で普通免許の取得後3年に満たない人に、受験資格特例教習の費用もサポートすると書いています。
12件の集計:教習中の立場と応募の免許条件
表1を項目ごとに数えました。同じ会社の募集が2件あったため、1件(O)だけを数えています。もう1件は取得支援の上限を最大100万円と書いていて、Oの最大80万円と金額が違いました[1]。
表2:養成制度がある募集12件の集計(取得日:2026年10月13日/出典:各社の公開募集ページ[1])
| 項目 | 区分 | 件数 |
|---|---|---|
| 費用の出し方 | 貸す・立て替える(貸与・貸付・立替) | 4件(F・H・I・O) |
| 費用の出し方 | 後から分割で支給 | 1件(D) |
| 費用の出し方 | 負担・支援とだけ書く | 5件(A・E・K・L・N) |
| 費用の出し方 | 記載なし | 2件(G・J) |
| 返済・不支給の条件 | 在籍3年 | 4件(D・E・I・O) |
| 返済・不支給の条件 | 在籍5年 | 2件(F・H) |
| 教習中の給与 | 金額の記載あり | 7件(E・F・G・H・J・K・O) |
| 教習中の給与 | 支払いはあるが額の記載なし | 1件(L) |
| 教習中の立場 | 契約社員・会計年度任用職員 | 5件(E・F・G・H・O) |
| 教習中の立場 | 免許を取ってから採用・入社 | 4件(D・I・K・L) |
| 教習中の立場 | 正社員 | 1件(J) |
| 教習中の立場 | 記載なし | 2件(A・N) |
| 応募の免許条件 | 免許経歴3年以上 | 6件(D・E・F・H・K・L) |
| 応募の免許条件 | 普通免許の取得後1年以上 | 3件(G・I・J) |
| 応募の免許条件 | 年数の記載なし・条件の記載なし | 3件(A・N・O) |

教習中の給与は、時給・日給・1回ごとの日当・月給と単位がそろっていません。時給はEが1,585円、Oが1,140円(教習時間)、日給はGが7,500円(月最大165,000円)、月給はHが208,380円でした。Kは通所中は雇用契約を結ばず、教習実習日に1回7,000円の日当です。Hの契約社員期間は約3か月で、その間に大型二種を取れない場合や三次選考に合格しない場合は雇用を終了すると書かれています。
選び方:バス事業者の採用ページ、公営交通の採用選考案内、ハローワーク・労働局の公開資料、求人サイトから、大型二種なしで応募でき会社が取得を支援する募集を候補として15件記録していました。10月13日に取り直したところ、1件はページが削除(404)、2件は同じ事業者の別の資料・別の募集だったため、12件で数えています。全国のバス会社の傾向を表すものではありません。
大型二種の受験資格(道路交通法)
道路交通法第96条第5項第1号では、けん引以外の第二種免許の試験を受けられるのは、21歳以上(政令で定める教習を修了した人は19歳以上)で、大型・中型・準中型・普通・大型特殊のいずれかの免許を受けていた期間が通算3年以上の人です。政令で定める経験がある人は2年、政令で定める教習を修了した人は1年になります。免許の効力が停止されていた期間は数えません[2]。
表2で応募条件を普通免許の取得後1年以上としていた3件(G・I・J)に応募する場合は、受験資格の3年に届かない人がどうやって受験資格をそろえるのかを会社に聞いてください。合格率など二種免許そのものの難しさは二種免許は難しいのかにまとめています。
養成制度に応募する前に確かめる5つのこと
表1・表2で募集ごとに書き方が分かれた項目を、質問にしました。
- 費用は会社が払いきる形ですか。貸付・立替・後からの分割支給ですか
- 何年働けば返さなくてよくなりますか。途中で辞めたら、いくら返すことになりますか
- 試験手数料・免許の交付手数料は誰が払いますか
- 教習中はどんな雇用形態で、給与は時給・日給・月給のどれでいくらですか
- 決められた期間に免許が取れなかったとき、雇用や費用はどうなりますか
入社後の給料の目安はバス運転手の年収、路線と観光の仕事の違いは観光バスと路線バスの運転手の違いで整理しています。タクシー会社の二種免許の支援は二種免許を会社負担で取れる条件(タクシー)で比べました。
よくある質問
Q1. 養成制度の費用は全部会社が出してくれますか?
募集によります。今回の12件では、貸す・立て替える形が4件、後から分割で支給する形が1件でした。試験手数料や免許の交付手数料を、会社の負担の対象から外すか自己負担としていた募集もあります(D・E・H)[1]。
Q2. すぐ辞めたら費用を返すことになりますか?
在籍年数の条件を書いていたのは12件中6件で、3年が4件、5年が2件でした。返す範囲は、Eは一部または全額、Dは3年未満で退職すると以後の支給をしないと書いています[1]。条件の記載がない募集でも、応募前に確かめてください。
Q3. 教習中も給料は出ますか?
金額を書いていたのは7件で、時給1,140円〜1,585円、日給7,500円、日当1回7,000円、月給208,380円などでした。免許を取ってから採用・入社する形の4件のうち、DとIは教習中の給与の記載がなく、Kは通所中は雇用契約を結ばず教習実習日に日当を払う形、Lは期間中に日当を払う(額の記載なし)形でした[1]。
Q4. 普通免許を取って1年でも応募できますか?
今回の12件では、普通免許の取得後1年以上で応募できる募集が3件ありました[1]。ただ、第二種免許の試験は原則として免許経歴が通算3年以上必要で、1年になるのは政令で定める教習を修了した場合です[2]。受験資格をどうそろえるかを会社に聞いてください。
出典(公式情報)
- [1]バス事業者12社の公開募集ページ(公営交通の採用選考案内2件、民営の採用ページ・ハローワーク公開資料・求人サイト10件。2026年10月13日 日本時間に取得。社名は記載していません)
- [2]道路交通法(昭和35年法律第105号)第96条(受験資格)(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105(2026年10月13日取得)
この記事を書いた人
もと:物流会社で22年、中間管理職を務めた元会社員。求人票の読み方や、手当・シフトの仕組みなど、現場を知る視点からドライバーの職場選びを解説しています。
気になるバス会社の養成制度を1つ選び、上の5つの質問の答えが募集ページに書いてあるか確かめてみてください。
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