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タクシー運転手の求人を見ると、「女性活躍中」「女性専用設備あり」といった表示がよく目に入ります。ただ、その表示の下に何が書かれているかは求人ごとに違います。女性乗務員の人数の推移、国の賃金統計の男女差、5都府県のタクシー求人20件の記載を並べて、女性が求人で確かめたい点を整理しました。
先に結論です。女性のタクシー乗務員は令和8年3月末で全国14,388人、全乗務員に占める割合は5.9%で、どちらも全国ハイヤー・タクシー連合会の資料で過去最多・過去最高でした[1]。求人20件では「女性専用設備あり」のタグが15件に付いていましたが、更衣室・休憩室・トイレなど女性用の部屋の名前まで本文に書いていたのは6件でした[5]。
結論:タクシー運転手の女性求人は「タグ」ではなく「本文」で確かめる
- 女性乗務員は増えている:令和8年3月末の14,388人は前年度から1,310人増(10.0%増)で、割合は5.9%でした[1]。
- 国の統計では、女性は男性より若く、勤続が短い:令和7年の賃金構造基本統計調査で、女性のタクシー運転者は平均50.0歳・勤続4.7年、男性は57.3歳・8.6年でした[2]。
- 今回の20件では、設備のタグと本文の中身に差があった:女性専用設備のタグが付いていても、本文に女性用の部屋の名前がない求人が9件ありました[5]。
女性のタクシー乗務員は何人いるか:人数と割合の推移
表1は、全国ハイヤー・タクシー連合会が公表している女性乗務員数の推移です。平成30年からは運転者証の交付数をもとに集計されています[1]。
表1:女性のタクシー乗務員数と全乗務員に占める割合(各年3月末/出典:全国ハイヤー・タクシー連合会「令和7年度の女性乗務員数の状況について」[1])
| 時点 | 女性乗務員数 | 全乗務員に占める割合 |
|---|---|---|
| 令和2年3月 | 10,108人 | 3.6% |
| 令和3年3月 | 9,723人 | 3.7% |
| 令和4年3月 | 9,470人 | 3.9% |
| 令和5年3月 | 9,673人 | 4.2% |
| 令和6年3月 | 11,213人 | 4.8% |
| 令和7年3月 | 13,078人 | 5.4% |
| 令和8年3月 | 14,388人 | 5.9% |

令和5年3月の9,673人から令和8年3月の14,388人まで、3年で4,715人増えました(約1.49倍、筆者の計算)。同じ資料では、令和8年3月末の年代別で50歳台が34.1%と最も多く、60歳台18.8%、40歳台18.7%が続きます[1]。
都道府県で割合は違います。同じ資料で、富山11.9%、群馬11.8%、岐阜11.6%に対し、東京は3.7%、大阪は4.4%でした。人数では東京2,191人、北海道1,061人、神奈川967人、大阪926人、福岡869人、愛知824人の順です[1]。
女性のタクシー運転者の給与と働き方:国の統計の男女差
国の賃金構造基本統計調査(令和7年、企業規模10人以上の一般労働者)で、タクシー運転者の男女を比べると次のとおりです[2]。
- 平均年齢:女性50.0歳/男性57.3歳
- 勤続年数:女性4.7年/男性8.6年
- 月の労働時間(所定内+超過):女性165時間+23時間/男性170時間+23時間
- きまって支給する現金給与額(月、残業代などを含む):女性30万9,000円/男性36万2,400円
- 年間賞与その他特別給与額:女性22万5,300円/男性19万6,000円
月の給与は女性が5万3,400円低く、年間賞与は女性が2万9,300円多い値でした(筆者の計算)。この統計で女性が占める割合は6.0%です(労働者数1,027十人÷17,021十人、筆者の計算)[2]。表1の5.9%とは集計の対象と方法が違うため、別の数字として見てください。年収の全体像はタクシー運転手の年収にまとめています。
女性が求人で確かめたい項目:タクシー求人20件の記載率
タクシー専門の求人サイト「転職道.com」の都道府県別の求人一覧(東京・神奈川・大阪・愛知・福岡)で、1ページ目に並ぶ順に各4件、計20件の詳細ページを2026年10月10日(日本時間)に確認しました。同じグループの会社が続いたときは1社だけを入れています[5]。
「タグ」はページ上部の特徴タグ、「本文」は求人の本文に該当する言葉があるかで数えました。どちらにもなければ「記載なし」です。
表2:タクシー求人20件で女性が確かめたい項目の記載(取得日:2026年10月10日/出典:転職道.com 各求人の詳細ページ[5])
| 項目 | 記載あり(20件中) | 数え方 |
|---|---|---|
| 昼の日勤の選択肢 | 19件 | タグ「昼日勤あり」または本文の日勤・昼日勤 |
| 給与保障 | 17件 | タグ |
| 女性活躍中 | 17件 | タグ |
| 女性専用設備あり | 15件 | タグ |
| 制服 | 13件 | 本文 |
| 給与保障の期間・最低保障 | 12件 | 本文 |
| 防犯設備(防犯カメラ・防犯板・防犯対策・緊急通報) | 9件 | 本文(ドライブレコーダーだけの記載は含めない) |
| 女性用の部屋の名前(更衣室・休憩室・トイレ・仮眠室・ロッカー・パウダールームなど) | 6件 | 本文 |
| 女性ドライバー応援企業 | 5件 | 本文 |
| 短時間・時間帯の相談 | 3件 | 本文 |
| 女性乗務員の人数 | 2件 | 本文 |
| 託児・保育 | 1件 | 本文 |
| 日勤の選択肢・女性用の部屋の名前・防犯設備の3つすべて | 3件 | タグと本文 |

※本文の判定は言葉の一致で行ったため、言い回しの違う記載は拾えていない可能性があります。数えたのは記載の有無で、実際の設備や制度の有無ではありません。20件は1つの求人サイトの一覧の先頭から選んだもので、全国の求人全体の割合を表すものではありません。求人の本文は転載していません。
表2から読み取れるのは次の3点です。
- 今回の20件では、設備のタグと本文に差があった:女性専用設備のタグが付いた15件のうち、本文に女性用の部屋の名前があったのは6件で、9件は本文に部屋の名前がありませんでした[5]。
- 今回の20件では、日勤と給与保障は多くの求人に書かれていた:昼の日勤の選択肢は19件、給与保障のタグは17件でした。ただし1件は、日勤を選べるのは経験者のみという条件付きでした[5]。
- 今回の20件では、防犯・短時間・託児の記載は少なかった:防犯設備は9件、短時間・時間帯の相談は3件、託児・保育は1件でした。3つの条件(日勤・女性用の部屋の名前・防犯設備)がすべて書かれていたのは3件です[5]。
国の「女性ドライバー応援企業」認定の見方
国土交通省には「女性ドライバー応援企業」の認定制度があります。認定の基準は、女性ドライバーの雇用目標を立てていること、働きやすい施設や勤務形態の整備に取り組んでいること、勤務形態や福利厚生などの労働環境を公表していることの3つです[3]。認定を受けた事業者の一覧も国土交通省のサイトで公表されています[4]。
全国ハイヤー・タクシー連合会の資料では、タクシーでの認定状況は全国でのべ888(令和8年4月、単位の記載なし)とされています[6]。今回の求人20件のうち、本文でこの認定に触れていたのは5件でした[5]。
応募前に会社へ確かめる5つのこと
表2の結果をもとに、求人だけでは分からない点を質問の形にしました。
- 女性専用の設備は、更衣室・休憩室・トイレ・仮眠室のどれですか。営業所ごとにありますか
- 車両の防犯設備(防犯カメラ・防犯板・緊急通報)は、全車に付いていますか
- 未経験でも昼の日勤を選べますか。勤務時間や日数の相談はできますか
- 女性の乗務員は何人いますか
- 給与保障は何か月で、いくらですか。保障が終わった後の給与はどう計算しますか
勤務形態の違いはタクシーの隔日勤務と日勤の違い、労働時間などのきつさはタクシー運転手はきつい?、二種免許の費用は会社負担で二種免許を取れる条件にまとめています。
よくある質問
Q1. 女性のタクシー運転手は何人いますか?
全国ハイヤー・タクシー連合会の資料では、令和8年3月末で14,388人、全乗務員に占める割合は5.9%です[1]。
Q2. 女性のタクシー運転手の給料は男性より低いですか?
令和7年の賃金構造基本統計調査では、月のきまって支給する現金給与額は女性30万9,000円、男性36万2,400円で、年間賞与は女性22万5,300円、男性19万6,000円でした。女性の平均年齢は50.0歳、勤続は4.7年で、男性(57.3歳・8.6年)と条件が違います[2]。
Q3. 「女性専用設備あり」の求人なら、更衣室やトイレはありますか?
今回の20件では、タグが付いた15件のうち本文に女性用の部屋の名前があったのは6件でした[5]。どの部屋があるかは、応募前に会社へ確かめてください。
Q4. 子育て中でも働きやすい求人はありますか?
今回の20件では、託児・保育の記載は1件、短時間・時間帯の相談の記載は3件でした[5]。勤務時間や日数の相談ができるかは、応募前に会社へ確かめてください。
出典(公式情報)
- [1]一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「令和7年度の女性乗務員数の状況について」(令和8年3月末現在) https://taxi-japan.or.jp/zius/wp-content/uploads/2026/05/令和7年度の女性乗務員数の状況について.pdf(2026年10月10日閲覧)
- [2]e-Stat 賃金構造基本統計調査 令和7年 一般労働者 職種 第1表(タクシー運転者、企業規模計10人以上) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421116&fileKind=4(2026年10月10日閲覧)
- [3]国土交通省「女性ドライバー応援企業」認定制度 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000081.html(2026年10月10日閲覧)
- [4]国土交通省「女性ドライバー応援企業」認定事業者一覧 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000082.html(2026年10月10日閲覧)
- [5]転職道.com 都道府県別の求人一覧(東京・神奈川・大阪・愛知・福岡)から選んだ20件の詳細ページ https://www.tenshokudou.com/(2026年10月10日 日本時間に取得)
- [6]一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「taxi_today_2026」7章(安全・安心輸送を支える人々) https://taxi-japan.or.jp/zius/wp-content/uploads/2026/06/7.taxi_today_2026_(安全・安心輸送を支える人々).pdf(2026年10月10日閲覧)
この記事を書いた人
もと:物流会社で22年、中間管理職を務めた元会社員。求人票の読み方や、手当・シフトの仕組みなど、現場を知る視点からドライバーの職場選びを解説しています。
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