ドライバーの職場選び

タクシー運転手の年収は全国450万円|都道府県別の差と求人の給与欄の読み方

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タクシー運転手の年収を調べると、平均の数字、都道府県別の数字、求人の「月給」が混ざって出てきます。どれも同じ年収の話に見えますが、計算の仕方も対象も違います。国の賃金統計と、タクシー専門の求人サイトに載っていた求人20件を並べて、数字の読み方を整理しました。

先に結論です。令和7年の賃金構造基本統計調査をもとにした全国ハイヤー・タクシー連合会の資料では、タクシー運転者の年間推計額は450万8,200円で、全産業の545万5,600円より94万7,400円低い値です[1]。都道府県別では東京の570万3,500円が最も高く、富山の253万9,800円が最も低い値でした[1]。求人20件では、入社後の給与保障の金額と期間を書いた求人が17件あり、給与備考欄の月給の下限額は20件中11件で保障額と同じ数字でした[5]。

結論:タクシー運転手の年収は「全国平均」「地域」「求人の数字」を分けて読む

  1. 全国の年間推計額は450万8,200円:月の給与(残業代などを含む、きまって支給する現金給与額)の12か月分に年間賞与を足した値です[1]。
  2. 地域で大きく違う:この資料では、最も高い東京と最も低い富山の差は316万3,700円で、47都道府県すべてで全産業の値を下回っていました[1]。
  3. 今回の20件では、求人の月給は保障額と同じ数字が多い:給与備考欄の月給の下限が同じ求人の保障額と一致したのが11件でした。年収の平均や例を書いた求人は4件でした[5]。

全国の平均:タクシー運転者と全産業の比較

表1は、国の賃金構造基本統計調査(令和7年)の値です。企業規模10人以上の事業所で働く一般労働者が対象で、タクシー運転者は職種別の表、全産業は民営事業所の産業計の表から取りました[2][4]。

表1:タクシー運転者と全産業の賃金(男女計/出典:賃金構造基本統計調査 令和7年[2][4]、年間推計額は全国ハイヤー・タクシー連合会[1])

項目タクシー運転者全産業
平均年齢56.8歳44.4歳
勤続年数8.3年12.7年
所定内実労働時間(月)169時間162時間
超過実労働時間(月)23時間11時間
きまって支給する現金給与額(月)35万9,200円37万500円
うち所定内給与額(月)30万6,400円34万600円
年間賞与その他特別給与額19万7,800円100万9,600円
年間推計額(月の給与×12+年間賞与)450万8,200円545万5,600円
タクシー運転者の年間推計額の比較。全産業(全国)5,455.6千円、タクシー(東京)5,703.5千円、タクシー(全国)4,508.2千円、タクシー(富山)2,539.8千円の横棒グラフ
図1:年間推計額の比較(令和7年賃金構造基本統計調査をもとにした全国ハイヤー・タクシー連合会の資料)

月の給与だけを見ると、タクシー運転者と全産業の差は1万1,300円です。年間推計額で差が94万7,400円に広がるのは、年間賞与の差(タクシー19万7,800円、全産業100万9,600円)が加わるためです。なお、残業代を含まない所定内給与額で同じ計算をすると、タクシー運転者は387万4,600円になります(30万6,400円×12+19万7,800円、筆者の計算)。

同じタクシー運転者でも、月の給与は人によって大きく違う

平均だけでは、自分がどのあたりに入るかは分かりません。同じ調査には、所定内給与額(残業代と賞与を含まない月の給与)の分布も載っています[3]。

  • 下から10%の位置:17万4,700円
  • 下から25%の位置:21万2,200円
  • 真ん中(中位数):28万6,300円
  • 上から25%の位置:37万1,400円
  • 上から10%の位置:46万6,000円

上から10%の位置は、下から10%の位置の2.67倍です。所定内給与額が40万円以上の人は全体の19.1%、20万円未満の人は20.2%でした(階級別の人数から筆者が計算)[3]。企業規模別の中位数は、1,000人以上で32万1,700円、100〜999人で31万1,600円、10〜99人で23万6,800円です[3]。

歩合給の計算方法や足切りの意味は、タクシーの歩合給の仕組みと足切りにまとめています。

都道府県別の年収:東京と富山で316万円の差

全国ハイヤー・タクシー連合会の資料には、都道府県別の年間推計額が載っています[1]。この資料での上位と下位は次のとおりです。

  • 上位5:東京 570万3,500円/大阪 479万400円/栃木 461万3,100円/神奈川 448万9,400円/千葉 448万8,000円
  • 下位5:熊本 290万1,600円/宮崎 286万2,800円/大分 283万6,800円/岩手 279万9,800円/富山 253万9,800円

東京の570万3,500円は全国の年間推計額より高い値ですが、東京の全産業(677万9,800円)よりは低い値です。47都道府県すべてで、タクシー運転者の値は同じ都道府県の全産業の値を下回っていました[1]。

資料には、小規模な県は調査対象の事業所が少なく実情が正確に反映されていない可能性があること、東京と地方を比べるときは住居費の差を考える必要があることが注記されています[1]。順位は目安として見てください。

求人の給与欄の読み方:求人20件の集計

ここからは求人の数字です。タクシー専門の求人サイト「転職道.com」の都道府県別の求人一覧で、1ページ目に表示された順に先頭から選んだ20件(首都圏10件:東京3・神奈川3・埼玉2・千葉2、地方10件:北海道2・宮城2・愛知2・福岡2・広島2)の詳細ページを、2026年10月9日(日本時間)に確認しました。ハイヤー営業所の求人1件は除き、次の求人を入れています[5]。

表2:タクシー求人20件の給与欄に書かれていた内容(取得日:2026年10月9日/出典:転職道.com 各求人の詳細ページ[5])

項目全体(20件)首都圏(10件)地方(10件)
給与保障の金額と期間の記載あり17件9件8件
保障額の中央値(求人内の最低額)25万円25万円21万5,000円
保障期間(求人内の最短)3か月11件・6か月4件・12か月2件3か月7件・6か月1件・12か月1件3か月4件・6か月3件・12か月1件
給与備考欄の月給の下限額の中央値26万5,000円30万円23万円
給与備考欄の月給の下限額=同じ求人の保障額11件6件5件
本文に基本給・固定月給の額あり8件5件3件
平均月収の記載あり10件6件4件
年収の平均・例の記載あり4件1件3件
年収は上位の人の額のみ4件3件1件
年収の額の記載なし12件6件6件
タクシー求人20件の給与欄に書かれていた項目の件数(給与保障の金額と期間17、平均月収10、本文の基本給・固定月給の額8、年収の平均・例4、上位の人の年収のみ4)の横棒グラフ
図2:タクシー求人20件の給与欄に書かれていた項目の件数(2026年10月9日取得)

※給与保障は、金額と期間の両方が書かれたものだけを数えました。勤務形態などで保障額や期間が複数ある求人は、最も低い額と最も短い期間で集計しています。保障の対象を書いた求人のうち12件は未経験者だけが対象でした。20件は1つの求人サイトの一覧の先頭から選んだもので、全国の求人全体の割合を表すものではありません。求人の本文は転載していません。

表2から読み取れるのは次の3点です。

  1. 今回の20件では、給与備考欄の月給が固定給より高かった:本文に基本給・固定月給の額があった8件では、8件すべてで給与備考欄の月給の下限額の方が高く、差は1万1,260円〜15万8,000円でした[5]。
  2. 今回の20件では、保障に期間が書かれていた:保障期間は最短で見ると3か月が11件で最も多く、12か月は2件でした[5]。保障が終わった後の給与の決まり方は、求人ごとに確かめる必要があります。
  3. 今回の20件では、年収の額を書いた求人は少なかった:平均や例として年収の額を書いた求人は20件中4件で、上位の人の額だけを書いた求人も4件ありました[5]。

応募前に会社へ確かめる5つのこと

表2の数字を読むときに、求人だけでは分からない点を質問の形にしました。

  1. 「求人の月給は、保障額ですか、それとも固定給ですか」
  2. 「保障は何か月で終わりますか。経験者も対象ですか」
  3. 「保障が終わった後の給与は、どう計算しますか」
  4. 「平均月収は、どの勤務形態の、何人の平均ですか」
  5. 「賞与はありますか。昨年はいくらでしたか」

勤務形態の違いはタクシーの隔日勤務と日勤の違い、労働時間などのきつさはタクシー運転手はきつい?、二種免許の費用は会社負担で二種免許を取れる条件にまとめています。

よくある質問

Q1. タクシー運転手の平均年収はいくらですか?

令和7年の賃金構造基本統計調査をもとにした全国ハイヤー・タクシー連合会の資料では、年間推計額(月の給与×12+年間賞与)は450万8,200円です[1]。平均年齢は56.8歳でした[2]。

Q2. 東京のタクシー運転手の年収はいくらですか?

同じ資料で東京は570万3,500円で、都道府県別で最も高い値でした。東京の全産業は677万9,800円です[1]。

Q3. 求人の月給30万円〜は、毎月もらえる額ですか?

そうとは限りません。今回の20件では、給与備考欄の月給の下限額が同じ求人の保障額と一致したのが11件でした。保障には3か月などの期間があります[5]。保障額か固定給かは、応募前に会社へ確かめてください。

Q4. 未経験でも給与保障はありますか?

今回の20件では、給与保障の金額と期間を書いた求人が17件あり、そのうち12件は未経験者だけが対象でした。保障額の中央値は25万円です[5]。

出典(公式情報)

この記事を書いた人

もと:物流会社で22年、中間管理職を務めた元会社員。求人票の読み方や、手当・シフトの仕組みなど、現場を知る視点からドライバーの職場選びを解説しています。

気になる求人を1件選び、月給が保障額か固定給か、保障が何か月かを確かめてみてください。
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タクシーの転職サービスを比べるときは、求人の給与欄をどこまで説明してくれるかも見てください。
→ タクシー転職サイトの比較

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