ドライバーの職場選び

運行管理補助者とは?なれる条件・できる仕事と運行管理者との違い

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運行管理補助者(以下、補助者)は、運送会社の営業所で運行管理者の仕事を手伝う人です。この記事では、貨物自動車運送事業の法令と、国土交通省の通達「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」をもとに、補助者になれる条件とできる仕事を整理しました。

先に結論です。補助者は、運行管理者資格者証を持つ人か、国土交通大臣の認定を受けた講習を修了した人の中から、会社が選任できます[2]。補助者は運行管理者の履行補助を行う人で、代理業務はできません。ただし点呼の一部は行えます[3]。その場合も、営業所で選任されている運行管理者が、点呼の総回数の少なくとも3分の1以上を行う必要があります[3]。

結論:補助者は資格者証か講習修了の人から選ばれ、点呼の一部を受け持つ

  1. なれる人:運行管理者資格者証(貨物または旅客)を持つ人か、国土交通大臣の認定を受けた講習を修了した人です[2]。
  2. できる仕事:運行管理者の履行補助です。代理業務はできませんが、点呼は一部を行えます[3]。
  3. 運行の可否は運行管理者が決める:酒気帯びなど5つのおそれを確かめたら、補助者は直ちに運行管理者に報告し、指示を仰ぎます[3]。

運行管理者と補助者の違い

表1は、貨物自動車運送事業法、貨物自動車運送事業輸送安全規則(以下、規則)、国の通達から、運行管理者と補助者の違いを並べたものです。対象はトラックなどの貨物の事業です。

表1:運行管理者と補助者の違い(貨物/出典:貨物自動車運送事業法16条[1]、規則18条・20条[2]、解釈及び運用について[3])

項目運行管理者補助者
なれる人運行管理者資格者証の交付を受けている人[1]運行管理者資格者証(貨物または旅客)を持つ人か、国土交通大臣の認定を受けた講習の修了者[2]
選任営業所ごとに選任しなければならない。人数は事業用自動車の数(被けん引自動車を除く)を30で割り(端数切り捨て)1を足した数以上(5両未満で地方運輸局長が認めた営業所を除く)[2]会社が選任することができる[2]
仕事の範囲規則20条に定める業務(乗務割の作成、点呼、運行記録計の管理、指導監督など)[2]運行管理者の履行補助。代理業務はできない[3]
点呼総回数の少なくとも3分の1以上を行う[3]点呼の一部を行える[3]
運行の可否補助者から報告を受けて指示する[3]5つのおそれを確かめたら直ちに運行管理者へ報告し、指示を仰ぐ[3]
他の営業所との兼務他の営業所の運行管理者や補助者は兼務できない(旅客の事業と同一敷地の場合などを除く)[3]業務に支障がない場合に限り、同じ会社の他の営業所の補助者を兼務できる[3]
運行管理者と補助者の違いの表。なれる人、選任、仕事の範囲、点呼、運行の可否の5項目を比べている
図1:運行管理者と補助者の違い(貨物自動車運送事業法・輸送安全規則・国の通達から筆者が整理)

運行管理者の業務を定めた規則20条には、補助者に対する指導及び監督も入っています[2]。補助者は、運行管理者の指導と監督のもとで仕事をする立場です[3]。

補助者になるには:2つの道

規則18条3項では、補助者は次のどちらかに当てはまる人から選任できるとしています[2]。

  1. 運行管理者資格者証を持っている:貨物の資格者証のほか、道路運送法に基づく資格者証(旅客)も対象です[2]。
  2. 国土交通大臣の認定を受けた講習を修了している:通達では、この講習には平成7年4月1日以降平成19年3月31日以前に独立行政法人自動車事故対策機構が行っていた基礎講習も含むとしています[3]。

補助者は「選任することができる」と書かれており、置くかどうかは会社が決めます[2]。補助者を選任する場合、会社は運行管理規程に補助者の選任方法、職務、遵守事項などを明記しておくよう通達で定められています[3]。

基礎講習(貨物)の修了は、運行管理者試験(貨物)の受験資格の一つでもあります。もう一つの受験資格は、試験日の前日において、緑ナンバーの事業用自動車(貨物軽自動車運送事業を除く)の運行管理に関し1年以上の実務の経験があることです[4]。試験案内には、事業用自動車の運転業務、営業、総務・経理などの管理業務は運行管理の実務経験に当たらないと書かれています[4]。補助者として働いた期間をどう扱うかは試験案内に書かれていないため、試験を受ける前に運行管理者試験センターへ確かめてください。

試験の内容や合格率は運行管理者試験の受け方と合格率、資格者証を取ってから選任されるまでの流れは運行管理者になるにはにまとめています。

点呼はどこまで任されるか:総回数の3分の1ルール

通達では、補助者に点呼の一部を行わせる場合でも、その営業所で選任されている運行管理者が行う点呼は、点呼を行うべき総回数の少なくとも3分の1以上でなければならないとしています[3]。表2は、総回数ごとの分担の上限と下限を筆者が計算したものです。

表2:点呼の総回数と、運行管理者が行う最低回数・補助者が行える最大回数(筆者の計算/出典:解釈及び運用について 第7条1.(14)[3])

点呼の総回数運行管理者が行う回数(最低)補助者が行える回数(最大)
30回10回20回
60回20回40回
90回30回60回
120回40回80回
300回100回200回
点呼の総回数が120回のとき、運行管理者は最低40回、補助者は最大80回を行えることを示す横棒グラフ
図2:点呼の総回数が120回のときの分担(筆者の計算)

※総回数を3で割り、端数を切り上げた数を運行管理者の最低回数としました。期間(1日・1か月など)の区切り方は通達に書かれていないため、表の総回数は例です。

補助者が点呼で次のおそれを確かめたときは、直ちに運行管理者に報告し、運行の可否の決定などについて指示を仰ぎ、その結果に基づいて運転者に指示を行わなければなりません[3]。

  • 運転者が酒気を帯びている
  • 疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができない
  • 無免許運転、大型自動車等無資格運転
  • 過積載運行
  • 最高速度違反行為

補助者を打診されたら確かめる4つのこと

表1と表2の内容から、会社に聞いておきたい点を質問の形にしました。

  1. 「運行管理規程で、補助者の職務と遵守事項はどう決められていますか」
  2. 「点呼は、月に何回くらい担当する想定ですか」
  3. 「酒気帯びなどのおそれがあったとき、運行管理者にはどう連絡しますか」
  4. 「補助者として選任されるのに必要な講習の費用は、誰が負担しますか」

よくある質問

Q1. 運行管理補助者に資格は必要ですか?

運行管理者資格者証を持っているか、国土交通大臣の認定を受けた講習を修了していることが条件です。どちらか一つで足ります[2]。

Q2. 補助者だけで点呼をすべて行ってよいですか?

できません。補助者が行えるのは点呼の一部で、その営業所の運行管理者が総回数の少なくとも3分の1以上を行う必要があります[3]。

Q3. 補助者の経験は、運行管理者試験の受験資格になりますか?

試験案内には、補助者としての期間の扱いは書かれていません。受験資格は、緑ナンバーの事業用自動車(貨物軽自動車運送事業を除く)の運行管理に関する1年以上の実務経験か、基礎講習(貨物)の修了(修了予定を含む)のどちらかです[4]。補助者になるために講習を修了している場合は、その修了で受験資格を満たすかを試験案内で確かめてください。

Q4. 補助者は、ほかの営業所と掛け持ちできますか?

運行管理者の履行補助として業務に支障が出ない場合に限り、同じ会社の他の営業所の補助者を兼務できます。その場合は、運行管理規程に運行管理体制などを明記して体制を整えておくよう定められています[3]。

出典(公式情報)

この記事を書いた人

もと:物流会社で22年、中間管理職を務めた元会社員。求人票の読み方や、手当・シフトの仕組みなど、現場を知る視点からドライバーの職場選びを解説しています。

補助者を打診されたら、運行管理規程に補助者の職務がどう書かれているかを最初に見せてもらってください。
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運行管理者を目指すなら、次は試験の受け方と合格率を確認してください。
→ 運行管理者試験の受け方と合格率

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