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運転の年数で運行管理者試験を受けられるかについて、試験案内では、事業用自動車の運転業務は受験資格の実務経験に当たらないとされています。運行管理者試験センターの試験案内と、貨物自動車運送事業法・貨物自動車運送事業輸送安全規則の条文から、トラック(貨物)の運行管理者になるまでの手順を4つに分けて整理しました。
先に結論です。運行管理者になるには、①受験資格を満たす(運行管理の実務1年以上か、基礎講習の修了)、②運行管理者試験に合格する、③合格の日から3か月以内に運行管理者資格者証の交付を申請する、④会社に運行管理者として選任され、会社が氏名を届け出る、の4つの手順を踏みます[1][3][4]。
結論:運行管理者になるまでの4つの手順
- ドライバー経験だけでは受験できない:受験資格は、運行管理の実務1年以上か、基礎講習の修了のどちらかです。運転業務・営業・総務や経理などの業務は実務経験に当たりません[1]。
- 試験はCBT方式で30問・90分:原則として30問中18問以上の正解に加え、出題分野ごとの基準も満たす必要があります[1]。
- 合格しただけでは運行管理者ではない:資格者証の交付申請(合格の日から3か月以内)と、会社による選任・届出が必要です[3][4]。
表1:ドライバーから運行管理者になるまでの手順
表1は、試験案内と条文の内容を手順ごとに並べたものです。表の「根拠」は、その手順が書かれている資料と条文です。
表1:運行管理者(貨物)になるまでの4つの手順(出典:令和8年度第1回 運行管理者試験のご案内[1]、貨物自動車運送事業法[3]、貨物自動車運送事業輸送安全規則[4])
| 手順 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 受験資格を満たす | 試験日の前日において、緑色のナンバーの事業用自動車(貨物軽自動車運送事業を除く)の運行管理に関し1年以上の実務の経験がある、または国土交通大臣が認定した講習実施機関で基礎講習を修了している | 試験案内 p.2[1]、輸送安全規則31条[4] |
| 2 試験に合格する | CBT方式、30問・90分。原則として総得点が30問中18問以上、かつ出題分野ごとの正解数の基準を満たす | 試験案内 p.1〜3[1] |
| 3 資格者証の交付を申請する | 試験に合格した人は、合格の日から3か月以内に申請する | 輸送安全規則25条3項[4] |
| 4 会社に選任される | 事業者は、資格者証の交付を受けている人の中から運行管理者を選任し、氏名を国土交通大臣に届け出る | 事業法16条1項・3項[3] |

手順1:受験資格は運行管理の実務1年以上か基礎講習の修了
試験案内では、貨物試験の受験資格は次のどちらか1つを満たすことです[1]。
- 実務経験:試験日の前日において、緑色のナンバーの事業用自動車(貨物軽自動車運送事業を除く)の運行管理に関し、1年以上の実務の経験があること。事業用自動車の運転業務、営業、総務・経理などの管理業務は、この実務経験に当たらないと注意書きがあります。
- 基礎講習:国土交通大臣が認定した講習実施機関で、基礎講習を修了していること。平成7年(1995年)4月1日以降に、試験の種類(貨物・旅客)に応じた基礎講習を修了した人に限られます。
運転の仕事を続けてきた人は、運行管理の実務経験がなければ、基礎講習を修了して受験することになります。基礎講習は「修了予定」の状態でも受験を申請できますが、令和8年度第1回の場合は令和8年7月29日までに修了し、修了証書などの写しを出す必要がありました。基礎講習の受講申込みと、試験の受験申請は別の手続きです[1]。
手順2:試験の形式と合格ライン
試験はCBT方式(会場のパソコンで解答する方式)で、筆記試験は行われません。試験時間は90分、出題は30問です[1]。出題数の内訳は、貨物自動車運送事業法関係8問、道路運送車両法関係4問、道路交通法関係5問、労働基準法関係6問、運行管理者の業務に関する実務上の知識と能力7問です[1]。
合格には、次の2つを両方満たす必要があります[1]。
- 原則として、総得点が満点の60%(30問中18問)以上
- 出題分野ごとの正解数が、法令の4分野は各1問以上、実務の分野は2問以上
受験手数料は6,000円(非課税)で、ほかに新規の受験申請では660円(税込)のシステム利用料がかかります[1]。令和8年度第1回の合格率は、貨物が41.1%(受験者2万9,323人・合格者1万2,061人)、旅客が42.7%(受験者7,128人・合格者3,047人)でした[2]。過去の回の合格率の推移や合格ラインの詳細は、運行管理者試験の合格率と合格ラインにまとめています。
手順3:合格したら3か月以内に資格者証を申請する
運行管理者に選任されるには、運行管理者資格者証が必要です。貨物自動車運送事業法では、資格者証は次のどちらかに当てはまる人に交付されます[3]。
- 運行管理者試験に合格した人(事業法17条1項1号)
- 一定の実務の経験その他の要件を備える人(同2号)。輸送安全規則では、一般貨物自動車運送事業者などの事業用自動車の運行の管理に関し5年以上の実務の経験があり、その間に国の認定を受けた講習を5回以上受講した人とされています(輸送安全規則24条1項)[4]。
試験に合格した人の交付申請は、合格の日から3か月以内に行わなければなりません。申請書には、住民票の写しやマイナンバーカードの写しなど、氏名と生年月日を証明する書類を付けます(輸送安全規則25条2項・3項)[4]。
手順4:会社に選任される/営業所に何人必要か
資格者証を持っていても、会社に選任されなければ運行管理者として業務はできません。一般貨物自動車運送事業者は、資格者証の交付を受けている人の中から運行管理者を選任し、その氏名を国土交通大臣に届け出ます[3]。
何人選任するかは、輸送安全規則18条1項に決まりがあります。営業所ごとに、その営業所が運行を管理する事業用自動車(被けん引自動車を除く)の数を30で割り、1未満の端数を切り捨てた数に1を足した数以上です[4]。表2は、この式で台数ごとの人数を計算したものです。
表2:営業所の車両数と、選任が必要な運行管理者の人数(貨物/出典:貨物自動車運送事業輸送安全規則18条1項[4]から筆者が計算)
| 営業所が運行を管理する事業用自動車の数 | 選任が必要な運行管理者の数 |
|---|---|
| 1〜29台 | 1人以上 |
| 30〜59台 | 2人以上 |
| 60〜89台 | 3人以上 |
| 90〜119台 | 4人以上 |
| 120〜149台 | 5人以上 |

※5両未満の事業用自動車の運行を管理する営業所で、地方運輸局長が運行の安全の確保に支障を生ずるおそれがないと認めるものは、この限りではないとされています。1つの営業所で複数の運行管理者を選任する場合は、業務を統括する統括運行管理者も選任します(輸送安全規則18条1項ただし書・2項)[4]。表2は貨物(輸送安全規則18条1項)の規定です。バス・タクシー(旅客)はこの記事では扱っていません。
運行管理者の業務を補助する「補助者」は、資格者証を持つ人か、国の認定を受けた運行の管理に関する講習を修了した人の中から選任できます(輸送安全規則18条3項)[4]。
運行管理者は何をする仕事か
輸送安全規則20条には、運行管理者が行う業務が並んでいます[4]。ドライバーの立場から見て身近なものを挙げます。
- 決められた勤務時間と乗務時間の範囲内で乗務割を作り、運転者を乗務させる
- 運転者に点呼を行い、記録して保存する。アルコール検知器を常に有効に保つ
- 運行記録計(タコグラフ)を管理し、記録を保存する
- 乗務員に対する指導・監督を行い、運転者に適性診断を受けさせる
- 選任された補助者を指導・監督する
事業法20条では、事業者は運行管理者の業務上の助言を尊重しなければならず、運転者などの従業員は運行管理者が業務として行う指導に従わなければならないとされています[3]。
ドライバーが今の会社で確かめておくこと
表1の手順のうち、求人や条文だけでは分からない点を質問の形にしました。
- 「基礎講習の受講料や、講習の日の給与はどう扱われますか」
- 「試験に合格した場合、運行管理者や補助者として選任される予定はありますか」
- 「運行管理者になると、乗務は続けますか。勤務時間や給与はどう変わりますか」
転職先を探すときの求人票の見方は、トラックドライバーの求人票の見方にまとめています。
よくある質問
Q1. トラックの運転経験が長ければ、運行管理者試験を受けられますか?
運転経験だけでは受けられません。試験案内では、事業用自動車の運転業務は受験資格の実務経験に当たらないとされています。運行管理の実務1年以上か、基礎講習の修了が必要です[1]。
Q2. 試験に合格すれば、すぐ運行管理者になれますか?
なれません。合格の日から3か月以内に資格者証の交付を申請し[4]、会社に運行管理者として選任されて、会社が氏名を届け出る必要があります[3]。
Q3. 試験を受けずに資格者証をもらう方法はありますか?
輸送安全規則24条1項では、一般貨物自動車運送事業者などの事業用自動車の運行の管理に関し5年以上の実務の経験があり、その間に国の認定を受けた講習を5回以上受講した人が、資格者証の交付の要件を備える人とされています[4]。
Q4. 運行管理者試験の合格率はどれくらいですか?
令和8年度第1回は、貨物が41.1%、旅客が42.7%でした[2]。回ごとの推移は運行管理者試験の合格率と合格ラインで確認できます。
出典(公式情報)
- [1]公益財団法人運行管理者試験センター「令和8年度第1回 運行管理者試験のご案内」p.1〜4 https://www.unkan.or.jp/contents/examinfo_pdf/20260625/examinfo.pdf(2026年10月14日閲覧)
- [2]公益財団法人運行管理者試験センター 試験結果の発表(令和8年度第1回) https://www.unkan.or.jp/after/(2026年10月14日閲覧)
- [3]e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業法」16条・17条・20条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000083(2026年10月14日閲覧)
- [4]e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業輸送安全規則」18条・20条・24条・25条・31条 https://laws.e-gov.go.jp/law/402M50000800022(2026年10月14日閲覧)
この記事を書いた人
もと:物流会社で22年、中間管理職を務めた元会社員。求人票の読み方や、手当・シフトの仕組みなど、現場を知る視点からドライバーの職場選びを解説しています。
まずは今の会社で、基礎講習を受けられるか、合格後に選任される予定があるかを聞いてみてください。
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