ドライバーの職場選び

バス運転手の年収は約453万円(計算値)|採用ページ14件の年収例の読み方

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バス運転手の求人を見ると、年収500万円、年収600万円といった数字が並んでいます。ただ、その数字が平均なのか、扶養家族のいる人の例なのか、残業込みなのかは、ページによって書き方が違います。国の統計と、バス会社の採用ページ14件を同じ日に読み比べました。

先に結論です。国の統計(令和7年賃金構造基本統計調査)でバス運転者の月の給与は328.4千円、年間賞与等は590.1千円で、月給の12か月分に賞与を足すと約453.1万円です(計算値)[1]。採用ページ14件のうち年収を書いていたのは10件で、勤続年数・扶養・時間外込み・賞与込みの4点をすべて書いていたのは2件だけでした[4]。

結論:バス運転手の年収は「統計の計算値」と「採用ページの例」を分けて読む

  1. 統計の計算値は約453.1万円:バス運転者の平均年齢は56.0歳、勤続12.3年、超過実労働は月30時間です[1]。
  2. 会社の規模で差がある:計算値は従業員1,000人以上で約514.1万円、10~99人で約399.6万円でした[1]。
  3. 採用ページの年収は条件つきの例が多い:年収を書いた10件のうち、勤続年数・年次の条件があったのは8件、時間外・休日出勤込みと明記していたのは5件、扶養の条件は3件でした[4]。

国の統計で見るバス運転手の年収(令和7年)

賃金構造基本統計調査の職種別の表から、バス運転者(男女計・従業員10人以上の企業)の数字を会社の規模別に抜き出しました。年収は、きまって支給する現金給与額の12か月分に年間賞与その他特別給与額を足した計算値で、実際に1年間に支払われた額ではありません。

表1:バス運転者の給与(令和7年・男女計/出典:賃金構造基本統計調査[1]、産業計は[2])

区分平均年齢超過実労働(月)きまって支給する給与(月)年間賞与等年収の計算値
バス運転者 企業規模計56.0歳30時間328.4千円590.1千円約453.1万円
バス運転者 1,000人以上55.0歳43時間360.8千円811.0千円約514.1万円
バス運転者 100~999人54.7歳31時間329.3千円624.2千円約457.6万円
バス運転者 10~99人59.0歳17時間302.6千円365.2千円約399.6万円
(参考)産業計 民営44.4歳11時間370.5千円1,009.6千円約545.6万円
バス運転者の年収の計算値(令和7年)。企業規模計453.1万円、1,000人以上514.1万円、100~999人457.6万円、10~99人399.6万円、参考の産業計(民営)545.6万円の横棒グラフ
図1:バス運転者の年収の計算値(月給×12+年間賞与等、令和7年)

きまって支給する給与には残業代などの超過分が入っています。所定内給与額は262.8千円で、きまって支給する給与328.4千円との差が月給に占める割合は20.0%でした。産業計(民営)では同じ計算で8.1%です[1][2](いずれも計算値)。

所定内給与額の分布も出ています。バス運転者(企業規模計)の中位数は257.9千円、下から10%の位置(第1十分位数)は200.2千円、上から10%の位置(第9十分位数)は333.8千円でした[3]。

※この職種別の表には、民営と公営の区別が書かれていません。そのため、民間のバス会社だけの平均としては読めません。

採用ページ14件の年収表示:どんな条件の数字か

2026年10月10日(日本時間)に、バス事業者の採用ページ14件(民営12・公営2、路線13・観光1)を取得し、年収の書き方を数えました。地域は東京・神奈川・埼玉・千葉・栃木・静岡・愛知・京都・大阪・兵庫・広島・宮城です。取得したページの本文に書かれていなければ記載なしとしています(別ページや説明会での案内は見ていません)[4]。

表2:バス会社の採用ページ14件の年収表示(取得日:2026年10月10日/出典:各社の採用ページ[4])

項目件数
年収を書いていた14件中10件
うち 勤続年数・年次の条件あり10件中8件
うち 時間外・休日出勤込みと明記10件中5件
うち 扶養の条件あり10件中3件
うち 賞与込みと明記10件中2件
うち 年齢の条件あり10件中1件
うち 勤続・扶養・時間外込み・賞与込みの4点すべて10件中2件
賞与の月数を書いていた14件中6件
バス会社の採用ページで年収を書いていた10件のうち、条件を書いていた件数(勤続年数・年次8、時間外・休日出勤込み5、扶養3、賞与込み2、年齢1)の横棒グラフ
図2:年収を書いていた採用ページ10件のうち、条件を書いていた件数(2026年10月10日取得)

年収の額は、種類が違うものを混ぜずに分けました。1つのページに在籍者の平均と未経験者の想定の両方を書いていた会社が1件あるため、合計は11件です。

  • モデル・例(入社2年目・扶養家族3名などの条件つき):7件、中央値500万円(450万~600万円)
  • 初年度・未経験者の想定:3件、中央値496万円(446万~500万円)
  • 在籍者の平均(実績):1件、約540.6万円(2025年度実績)

モデル・例の7件のうち6件は、表1の計算値約453.1万円より高い額でした。ただ、モデル・例は勤続年数や扶養家族の人数を決めた上での数字で、平均とはそろっていません。どちらが高いかを比べる材料にはせず、条件を読むための数字として見てください。14件のうち観光は1件だけです。全国のバス会社の傾向を表すものではありません。

年収の数字を見たら確かめる5つのこと

表2の項目と、年収の数字の種類を、質問にしました。

  1. その年収は、入社何年目の人の数字ですか
  2. 時間外勤務・休日出勤の手当は入っていますか。月に何時間くらいの前提ですか
  3. 扶養手当・家族手当は入っていますか
  4. 賞与は入っていますか。昨年度は何か月分でしたか
  5. 保証された額ですか、それとも在籍者の実績をもとにした例ですか

観光バスと路線バスで仕事の中身がどう違うかは観光バスと路線バスの運転手の違い、休日の数の比べ方はドライバーの年間休日の比べ方にまとめています。

公営バスの公表値(鹿児島市交通局)

公営バスは、自治体が職員の給与を公表しています。鹿児島市の交通事業の資料では、令和7年4月1日現在のバス事業運転手46人の平均年齢は50.8歳、平均月収額(期末・勤勉手当等を含む)は548,517円でした。同じ資料には、平均月収額を12倍した年収ベースの試算値として6,582,204円が載っています[5]。1つの市の数字で、ほかの公営バスに当てはまるとは限りません。

よくある質問

Q1. バス運転手の平均年収はいくらですか?

令和7年の賃金構造基本統計調査で、月の給与328.4千円の12か月分に年間賞与等590.1千円を足すと約453.1万円です。統計に年収の項目はないため、これは計算値です[1]。

Q2. 大きい会社のほうが年収は高いですか?

統計の計算値では、従業員1,000人以上が約514.1万円、100~999人が約457.6万円、10~99人が約399.6万円でした。超過実労働時間も1,000人以上は月43時間、10~99人は月17時間と違います[1]。

Q3. 求人の年収500万円は1年目からもらえますか?

ページによります。今回の14件では、年収を書いた10件のうち8件が勤続年数・年次の条件をつけていて、時間外・休日出勤込みと明記していたのは5件でした[4]。何年目・何時間の残業込みの数字かを応募前に聞いてください。

Q4. 賞与はどれくらい出ますか?

統計ではバス運転者の年間賞与その他特別給与額は590.1千円です[1]。採用ページ14件のうち賞与について書いていたのは10件、月数まで書いていたのは6件でした[4]。

出典(公式情報)

この記事を書いた人

もと:物流会社で22年、中間管理職を務めた元会社員。求人票の読み方や、手当・シフトの仕組みなど、現場を知る視点からドライバーの職場選びを解説しています。

気になるバス会社の年収の数字を1つ選び、上の5つの質問の答えが採用ページに書いてあるか確かめてみてください。
→ 国の統計(表1)へ戻る

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