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ルート配送の求人を比べていると、目に入るのは月給の総額です。ところがその総額に、固定残業代が入っているのか、基本給がいくらなのかは、求人によって書き方がばらばらです。
そこで、求人サイト「ドラEVER」で「ルート配送」の条件が付いた正社員の求人30件(千葉10件・兵庫10件・宮城6件・広島4件)を2026年10月6日に集め、月給の幅と給与欄の中身を数えました[1]。1つのサイトの4府県だけを見た集計なので、全国の相場を表す数字ではありません。この30件で何が分かったかを、件数を添えてまとめます。
30件の月給:下限の中央値31.0万円、上限の中央値36.0万円
| 区分 | 下限が読めた件数 | 月給下限の中央値 | 上限が読めた件数 | 月給上限の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 30件全体 | 29件 | 31.0万円(最小23.0万円・最大35.0万円) | 23件 | 36.0万円(最小約24.0万円・最大71.7万円) |
| 中型(3t・4t、中型パッカー車を含む) | 9件 | 30.0万円 | 5件 | 34.3万円 |
| 大型(10t・大型・トレーラー・海上コンテナ) | 10件 | 31.0万円 | 9件 | 42.0万円 |

- 月給の下限は、給与欄の最初に書かれた月給(または月収)の幅の下側です。日給だけで月給の幅がない1件は除き、29件で計算しました[1]。
- 上限は、上限のない「◯万円〜」の書き方だった6件と、日給だけの1件を除いた23件です[1]。
- 車格の区分は仕事内容と給与欄の記載で分けました。小型(1.5t・2t)の2件と、車格が混在または不明の9件は表に入れていません[1]。
- 給与欄には「月給」と書く求人と、残業などを含む「月収例」として書く求人が混ざっています。同じ条件で並べた比較ではありません[1]。
下限の中央値は中型30.0万円、大型31.0万円で、差は1.0万円でした。上限の中央値は中型34.3万円(5件)、大型42.0万円(9件)です[1]。上限が読めた件数が少ないため、この差を車格の一般的な差とは言えません。
なお、30件は企業が付けた「ルート配送」の条件で選んでおり、仕事内容に幹線輸送、海上コンテナ、廃棄物の収集運搬などを含む求人も入っています[1]。ルート配送の1日の仕事の流れはルート配送の1日の流れで、求人に書かれた拘束時間はルート配送はきついのかで別に集計しています。
その月給の中身:基本給の金額まで書いていたのは9件
| 給与欄・待遇欄の書き方 | 30件中の件数 |
|---|---|
| 基本給の金額を書いていた | 9件 |
| 固定残業代(みなし残業代)を含むと書いていた | 9件 |
| 固定残業代がないと書いていた | 1件 |
| 固定残業代について記載なし | 20件 |
| 歩合の支給を書いていた | 3件 |
| 家族手当(扶養・配偶者・子どもの手当を含む) | 14件 |
| 無事故手当 | 8件 |
| 安全運転手当 | 3件 |
| 住宅手当 | 6件 |
| 皆勤手当(精勤手当を含む) | 4件 |
| 賞与の記載あり | 25件 |
| 年間休日を日数で書いていた | 11件(中央値108日・最小103日・最大125日) |

数え方:手当は無事故・安全運転・家族・皆勤(精勤)・住宅の5種類だけを数えました。「記載なし」は求人ページに書かれていなかったという意味で、その制度がないという意味ではありません。歩合の3件とは別に、歩合手当という見出しの下に無事故手当だけが書かれた求人が1件あり、これは歩合に数えていません[1]。
固定残業代は1時間分から86時間分まで
固定残業代を含むと書いていた9件のうち、時間数が書かれていたのは8件です。1時間分が1件、20時間分が1件、45時間分が3件、60時間分が2件、86時間分が1件でした[1]。月給の額が同じ求人でも、固定残業代が何時間分入っているかは求人ごとに違います。
基本給が分からないと賞与も読めない
基本給の金額まで書いていたのは30件中9件で、残りの21件は総額だけか、基本給と手当の合計という書き方でした[1]。賞与の記載は25件にありましたが、賞与を基本給の何か月分という形で示す求人もありました[1]。基本給が分からないままでは、その賞与がいくらになるかは計算できません。
年間休日を数字で比べられたのは11件
年間休日を日数で書いていたのは11件で、中央値は108日、最小103日、最大125日でした(125日の求人は平均の日数として表示)[1]。残りの19件は週休2日制、月8日以上、シフト制などの書き方で、日数は分かりません[1]。休日の数え方はドライバーの年間休日の比べ方にまとめています。
統計では:大型車を除くトラックの年間給与額は438万円
求人の提示額ではなく、実際に支払われた給与の統計も見ておきます。国土交通省の資料「自動車運送業・整備業における労働条件改善のための取組」は、厚生労働省の令和4年・令和5年賃金構造基本統計調査から職種ごとの数字をまとめています[2]。
- 営業用貨物自動車運転者(大型車を除く):令和5年の月労働時間209時間、年間給与額438万円(令和4年は210時間・438万円)[2]
- 営業用大型貨物自動車運転者:令和5年212時間・485万円(令和4年は214時間・477万円)[2]
- 全産業平均:令和5年178時間・507万円(令和4年は177時間・497万円)[2]
資料の注記では、月労働時間は所定内実労働時間数と超過実労働時間数の合計、年間給与額はきまって支給する現金給与額の12か月分と年間賞与その他特別給与額の合計です[2]。令和5年で比べると、大型車を除くトラックの運転者は全産業平均より月の労働時間が31時間長く、年間給与額は69万円少ない数字でした[2]。
この統計は「ルート配送」だけを取り出した数字ではなく、表1の求人の提示額とは集め方も年も違います。2つを並べて差を計算することはしません。トラック運転手の年収を車格や年齢で分けた統計はトラック運転手の年収で扱っています。
求人を比べるときに書き写す5項目
気になる求人が2〜3件あるなら、月給の総額の横に次の5つを書き写すと、表1と表2で見た違いが自分の候補でも分かります。
- 月給か月収例か。月収例は、残業などを含めた例として書く求人と、月給と同じ額を書く求人があります[1]。
- 固定残業代の有無と時間数。この30件では20件に記載がありませんでした[1]。書かれていなければ面接で聞きます。
- 基本給の金額。賞与を基本給の何か月分という形で示す求人では、その計算の元になる額です。
- 手当の名前と金額、付く条件。総額に入っている手当か、別に付く手当かも見ます。
- 年間休日の日数。日数がなければ、月の休日数と長期休暇の有無を聞きます。
求人票の上限額の読み方はトラックドライバー求人票の見方で詳しく書いています。
よくある質問
ルート配送の給料の相場はいくらですか
1つの数字では言えません。この記事の30件では月給の下限の中央値が31.0万円、上限の中央値が36.0万円でした[1]。統計では、大型車を除くトラックの運転者の令和5年の年間給与額が438万円です[2]。集め方の違う数字なので、どちらかを相場と決めることはできません。
固定残業代が書いていない求人は、固定残業代がないのですか
書いていないだけでは分かりません。30件のうち、固定残業代がないと書いていた求人は1件で、20件は記載がありませんでした[1]。応募前か面接で、月給に残業代が含まれるかを確かめます。
大型の求人のほうが給料は高いですか
この30件では、月給下限の中央値は中型30.0万円・大型31.0万円、上限の中央値は中型34.3万円・大型42.0万円でした[1]。上限が読めたのは中型5件・大型9件と少なく、この件数から車格による差を言うことはできません。
出典
- [1]当サイトによる求人集計。ドラEVER(https://doraever.jp/)の「ルート配送」×都道府県の求人一覧(千葉・兵庫・宮城・広島)の1ページ目から、雇用形態に正社員を含む求人を表示順に計30件(同じ会社は1件のみ)。2026年10月6日取得。求人ページは掲載終了や内容の変更があります。
- [2]国土交通省「自動車運送業・整備業における労働条件改善のための取組」 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001751801.pdf (出典表記:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」「令和5年賃金構造基本統計調査」から作成)
この記事を書いた人
もと/物流会社で22年、中間管理職として働いた元会社員。求人の数字は自分で集めて数え、統計は元の資料で確かめてから書いています。
ルート配送の求人を探すなら、ドラEVERで「ルート配送」と勤務地で絞り込むと、この記事と同じ形で一覧を見られます。