こんな方におすすめ！（読了目安：5分）
- 専業主婦のわたしが起業なんてできるかな？
- やりたいことが多いけど時間がない...
- そのたびに落ち込む！
もと
起業したい..と憧れつつも、現状の生活を変えるのが難しいと感じる人は多いですよね。特にパートナーや小さいお子さまがいると、なかなか時間の捻出が難しいのではないでしょうか。
今回お話しを聞く “なぎささん” は、宝塚歌劇団としての経歴や摂食障害を患ったり……、環境を変えながらもご自身の辛い経験をもとに色んなことに挑戦してきました。挫折を味わってはまた新しい挑戦を繰り返し、そして今まさにご自身のパーソナルトレーニングスタジオのオープンへ向けて準備しております。
なぎささんは、「パーソナルトレーナーになってガツガツ働く」という考えを持っていたわけではなく、子育てをしながらスキマ時間に仕事をしていたらいつの間にかパーソナルトレーナーになっていたそう。
今の生活のままで、少しずつ自分のビジネスの道を歩んでいきたい人はぜひ参考にしてみてください。
「人と比べる」特殊な環境で育った学生時代
もと
今日はよろしくお願いします！まずは自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか？
はい！笹田なぎさです！お仕事は「綺麗に痩せる」をコンセプトにしたパーソナルトレーナーです。その他にはヨガインストラクターやマタニティヨガ、Instagramで食事や簡単にできる運動といったダイエット関連の発信をしています。
なぎささん
もと
なぎささん、元々会社員だったんですよね？
そうです。一番最初はミュージカルをやっていてそれをやめて、歯科助手や会社員を経験しました。
なぎささん
もと
ミュージカルですか？
はい。もともとはバレエを習っていて、宝塚歌劇団の学校を卒業して、そのまま活動していました。
なぎささん
ミュージカルを思い出すのが嫌だった
もと
パーソナルトレーナーになるまでの経緯を教えていただけますか？
最初のうちは自分の運動ためにヨガをやってました。
なぎささん
もと
きっかけがあったんですか？
運動はしたかったけどダンスとかで運動をしたくなかったんですよね。
なぎささん
もと
なるほど！具体的に教えてください！
学生時代にバレエで痩せようとしたことで拒食症になりました。その後に宝塚歌劇団へ入るために体重を増やしたら止まらなくなって過食症になってしまったんです。
なぎささん
もと
それは辛い...拒食症からの過食症ということですね。
はい。宝塚という特殊な環境と思春期ということも重なって苦しい時期でした。
なぎささん
卒業までして初舞台を踏む前に退団しました。その時を思い出したくなかったから、しばらく運動は何もやってなかったんです。でも、会社員でデスクワークだと、ずっと動かない生活を何年もしてたら、なんか別のストレスになってきて...「やっぱり動かしたいなっ！」て思って始めたのがヨガでした。
なぎささん
自分のために体を使う喜び
もと
ヨガは心の健康に影響を与えましたか？
最初のヨガの先生が「人と比べないでね！」って言ってくれたのが私に衝撃を与えました。
なぎささん
もと
素敵な考えですね！もう少し詳しく教えてください。
私はずっと人と比べる世界にいました。例えば、「人より足を高く上げなさい！」とか、「綺麗に見せるためにはキツくても体を使う！」みたいなだったので、自分のために体を使うという概念がなかったんです。
なぎささん
もと
真逆の価値観ですね。
すごい感動したんですよ。めっちゃ気持ちいい！って。他の人からしたら当たり前のことかもしれないのですが、比べなくていいし、合わせなくていいということが私にとっては嬉しかったです。
なぎささん
もと
ヨガとの出会いは大きいですね。
ダイエットに近道はなし。とにかく必要なことをやるべき
もと
宝塚歌劇団から会社員と目まぐるしい20代ですね……。そこからどうやってヨガインストラクターという選択肢を選んだのですか？
実際の解剖学とかはバレエ教室で習っていなかったので、ヨガの勉強をすることで今までやってきたことの”つじつま”が合ってきました。これだったらもうインストラクターになって、自分が勉強したいことがそのまま仕事にできるからいいな。って思うようになりヨガインストラクターの資格を取りました。
なぎささん
もと
パーソナルトレーナーも一緒のタイミングですか？
パーソナルトレーナーは「ダイエットしたいからヨガをやりたい！」と、友人から相談されることが多くなったのが始まりです。
なぎささん
もと
体質改善のパーソナルトレーナーを始めたのは「起業するぞ！」という感じではなかったんですね
全然です(笑)。実際に、ヨガだけで痩せるのは効率的ではないと思っていて...痩せるならヨガにたくさん通うより食事とか必要なトレーニングをしながらヨガをした方が良いんじゃないかと考えたのがきっかけです。
なぎささん
どんなに痩せても幸せになれない
もと
「食・身・心・眠」というコンセプトに込めた思いを教えてください。
何をするにもこの4つが欠けたら人って崩れるというのが自分の経験で大きかったんです。
なぎささん
学生時代に勉強とかで睡眠がほとんど取れない時期があったんですけど、人って寝不足になると正常な判断ができなくなるんです。だから、仕事が遅くて夜食を食べちゃったりして暴飲暴食につながったりする人ってすごく多いんですよね。
なぎささん
もと
耳が痛い...自分のことです...
寝不足の人って寝てる間に本来回復するべきものが回復できてなくて、そこから心のバランスが崩れていきます。それと、心のバランスをとるには、食事をちゃんとするという事がすごい重要になります。とくに、女性はホルモンバランスの変動があるので、メンタルを維持するのは結構難しいなっていうのがあるんです。
なぎささん
もと
なるほど。
「食・身・心・眠」を意識することが人生を豊かにする
「食・身・心・眠」どれかが抜け落ちていると心身ともに健康みたいな状態に絶対なりません。それって自分がいくら痩せても幸せに感じない、満足できない状態でずっと彷徨ってるのと同じになっちゃうんです。
なぎささん
もと
なぎささんは学生の頃に比べて食事に対しての意識は変わりましたか？
私自身がご飯を食べれば太る！とか、お肉を食べたら太る！みたいな思い込みがすごくあったんです。そういった食事制限をしていると心にも影響してくるんですよ。
なぎささん
もと
どんな影響がありますか？
怒りっぽくなったりイライラしやすくなったりとか、落ち込みやすくなったりとかもするんですよね。食事の量でコントロールすると、一瞬痩せてもリバウンドして、結局は満足できていない状態が続くんですよ。
なぎささん
もと
先ほどの彷徨ってる感じですね...
そうです。本人は食事制限が心に悪影響を与えてるという自覚がないんですよ。
なぎささん
今は情報が多いから自分にあったダイエットを選択できる時代ですけど、私のところに来るお客様にヒアリングをするとまだまだ間違ったダイエットを繰り返している方が多いです。
なぎささん
もと
なんで痩せないんだろう？みたいな？
はい。若いうちは良いんですけど、やっぱり40代を過ぎてくると痩せなくなってくるので厳しくなりますね。
なぎささん
もと
なぎささんのお客様は若い頃に無理なダイエットを繰り返してきてしまった方が多いですか？
そうですね！
なぎささん
もと
なぎささんが食事について普段から意識していることはどんなことですか？
なるべく自然に近い状態を保つことです。ちょっとずつでも痩せて体調も維持できて、やめたからいきなりボンッと太るみたいなことにならないような体を作ることです。生徒さんにも同じで、ストイックに「これは食べない！」という指導はしてないですね。
なぎささん
「詰め込み過ぎず、自分に意識を向ける時間を取って」
もと
自分のできることを仕事にするために、どのような努力をされましたか？
子育てをしながら仕事するのが大前提です。最初の頃、仕事を入れたりして子供が風邪ひきました！ってなった時に代行を立てるのがすごい大変だったんです。それからはレッスンもあまり入れてないようにしてました。
なぎささん
だから、自分が使える時間って限られているので自分が空いている時間で工夫してお仕事をしています。
なぎささん
もと
心と体のバランスを保つために、仕事のすすめ方を工夫する必要がありそうですね。そのあたりの対策はされていますか？
今まさに工夫している最中です。去年はSNSの発信したり自己投資して色々と学んだりしていたんですけど、レッスンの勉強もしたくてやりたいことばかりをギュウギュウに詰め込み過ぎてたんです。
なぎささん
パソコンとか携帯ってデータ容量が大きくなると遅くなるじゃないですか。何か開くたびにフリーズして。まさに、あんな感じになっちゃって...いつもは出来ていたことすらできなくなっちゃって。今はやった方がいいなと思うこといっぱいあるんですけど、自分のできる範囲で発信活動や勉強を続けています。
なぎささん
もと
たしかに、詰め込みすぎは良くないですよね
本当にそうで、結局、やりたいけど出来ていないことに対して悲観的になって心も折れて....。ダイエットと一緒で睡眠を削ってまで何かをやろうとしても結局うまくいかないんですよ。
なぎささん
子育てと仕事を両立するには、「余白」を意識する
もと
最後に、「今チャレンジできていない」とか「将来が不安だな」と考えている人に、第一歩として、まず何をしたらいいでしょうか？何かメッセージをお願いします。
余白をとることですね。子育てをしながら何かビジネスをしたいという方がいたら絶対に余白を作っておくことです。私も最初はそうしていたのにだんだん欲が出て、子供が大きくなってきたしできるだろうみたいな感じで詰めてたんですよね。だからこそ意識して余白を作って欲しいな。って思います。
なぎささん
もと
お子様への影響も出てきますからね。
はい。ちょっとしたことで、子どもにイライラするし、結局「昼間はできない！」って夜中に作業して寝不足みたいな...そうするとさっき言ってた心が崩れていくんですよ。
なぎささん
もと
たしかに、家族との時間を増やすためだったのにいつの間にか目的が変わってしまいますね。
子育てしながら仕事をしていてストレスに感じている人もいるかもしれないけど、ガラッと生活を変えなくても、余白という選択肢がいつでも存在することを覚えておいてほしいなと思っています。
なぎささん
もと
素敵なメッセージですね。SNSを頑張りすぎたり、少し詰め込みすぎてるかな...と感じる方や、少しづつ何かを始めていきたい方の参考になったのではないでしょうか。なぎささん、本日はありがとうございました！
ありがとうございました！
なぎささん
2024年1月に自宅サロンを開業予定
今回はなぎささんから学んだのは、とにかく「自分の許容範囲を知ること」。
ダイエットもビジネスも成功するための近道などなくて、自分や周囲の状況とバランスを取りながら試行錯誤を繰り返していった結果が、今の彼女を作っているのかなと思いました。
来年1月には自宅サロンを開業されるという。女性経営者として新たな一面が垣間見えたなぎささんのさらなる進化に目が離せません！
インタビュイー：笹田なぎささん(@nagi_sasayoga)
インタビュアー：中村もと(@moto_writing28)
ライター：中村もと(@moto_writing28)